2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

記憶についてのあれこれ 93 <「記憶インプランテーション」>

幼少時の記憶にはどのようなものがありますか? 私はいくつかあります。 ひとつは、生まれてから3歳頃まで住んでいた家の中庭で、母親に抱っこされて青空を眺めていた時に、「ブーン」という音とともに飛行機(プロペラ機)が通り過ぎて行った風景がくっきり…

「乳児用ミルクのあれこれ」 まとめ

助産師というのは乳児用ミルクと最も身近に働いている仕事ですが、案外、この乳児用ミルクについて知らなかったと思うようになったのがここ10年ほどのことでした。 私が助産師になった1980年代終わり頃から、日本国内でもボチボチと「母乳の素晴らしさ」を多…

河童はどこで泳ぐか

さすがに寝込んだだけあって、今月は2週間ほど水から遠ざかっていた時期がありましたが、むくむくと泳ぎたくなってプール通いを再開しました。 クロールの息継ぎで体幹をねじる時にピキッと痛みがあって、たぶん以前もやった咳のし過ぎによる肋軟骨骨折の痛…

食べるということ 9 <味覚の東西南北差>

病気になった時の食事は「文化人類学的側面を合わせ持つ」ということですが、今回体調を崩した時にいわゆる和食をほとんど思いつかない自分にちょっと驚きました。 日頃はおいしいと感じる鰹だしとか昆布だしを使った和食の類いは全然食べたくなくて、思い浮…

記憶についてのあれこれ 92 <餃子>

今は街中にあふれていると言っても良いほど、手軽に食べられる餃子です。 もともとは中国の料理だと思うのですが、「日本の国民食」(日本餃子協会)という呼び名まであるのですね。 私が子どもの頃から、餃子は身近な、でもちょっと手をかけた贅沢なごちそ…

食べるということ 8 <体調が悪い時の食事>

風邪気味かなぐらいのやや体調が悪い時には、野菜を多めに入れたスープとかうどんなどがむしょうに食べたくなって、そして食べるとだいたい元気になります。 ところが寝込んだ今回は、久しぶりに何も食べたくない日が続きました。 とりあえず何か水分と栄養…

気持ちの問題 19 <グレーゾーン問題>

物ごとにはグレーゾンがあることを意識したのは、ニセ科学の議論だったことを書きました。 「ニセ科学」については、大阪大学の菊池誠先生の「ニセ科学とつきあうために」に書かれているように、「見かけは科学のようだが、実は科学的ではないもの」というあ…

「花粉症の民間医療について」

「中高年になって花粉症の症状がでにくくなった気がする」と書いたそばから、今年は酷い症状にやられました。 油断してアレグラを飲まないでいたら、なんとなく喉がチリチリしたと思ったとたんに全身が絶不調に。 たぶん、ここ数年の疲れや緊張が一気に出た…

「哺乳瓶のあれこれ」 まとめ

哺乳ビンの消毒について書いたので、今回は「哺乳瓶のあれこれ」のまとめです。 母乳育児推進の動きとともに、ここ10年ほどでしょうか、哺乳瓶についても風当たりが強くなってきた印象があります。 もし哺乳瓶がなかったらどんなに大変かと思うのですが、使…

境界線のあれこれ 63 <哺乳ビンの消毒のグレーゾーン>

私自身は「周産期相談318 お母さんへの回答マニュアル第2版」(東京医学社、2009年)を参考にして「おおむね3ヶ月頃まで」と説明していることを、 哺乳ビンの消毒はどうすればよいかに書きました。 そして聞かれれば、こう説明していることも書きました。 …

ブログのご紹介 「ブラーヴォ! 赤ちゃん!!」

昨日、思わぬ方からのコメントをいただきました。 現在は三重県の産科診療所で小児科医としてたくさんの赤ちゃんと接していらっしゃる澤田啓司先生です。 以前、新生児のしぐさなどについて検索していた時に、偶然、お名前とブログを拝見して心に残っていた…

「境界線のあれこれ」 まとめ

いろいろとゆっくり考えたいことがあるのですが、ちょっと時間がとれない毎日。 そこで今回も過去記事のまとめです。 「境界線」を意識したのはいつ頃で、何がきっかけだったのかはよく思い出せないのですが、ひとつのきっかけとして、2009年頃に出会ったニ…

「医療介入とは」 まとめ

最近私が接する妊婦さんたちは、出産時のご希望や質問をしても「無事に生まれればそれでいいです」とおっしゃる方が増えてきました。 「分娩台はいやだ」「点滴はしないで欲しい」「自由な格好で産みたい」という方もほとんどいらっしゃらないです。 「前回…

「院内助産とは」まとめ

「アドバンス助産師とは」はまだ続くのですが、臨床で働く多くの助産師には無関係な制度が突如始まったのは、晴天の霹靂といった感じでした。 何をそんなにあわてて新たな制度を作りたいのだろうと言えば、遅々として進まない院内助産システムを盛り上げたい…

アドバンス助産師とは 11 <はしごをはずされた人もいるのではないか>

こちらの記事で「たかだか100例ぐらいの分娩介助数」と書きましたが、それへの到達にはるか及ばないまま、助産師としての今後をどうしようか悩んでいる人たちがいることでしょう。 「アドバンス助産師」とは日本看護協会のクリニカルラダー(p38〜)でいえば…

アドバンス助産師とは 10 <5年ごとの申請・・・5年後も「アドバンス助産師」のまま?>

2015年7月31日づけで出された日本看護協会のアドバンス助産師に関してのNews Rleaseには、こう書かれています。 CloCMipレベル3認証制度は、日本看護協会が開発したCloCMipを指し、CloCMipレベル3に達していることを客観的に評価する仕組みです。書類審査…

アドバンス助産師とは 9 <はしごをはずされないために駆け込み申請・・・27年・28年の暫定処置>

私が「何か認証制度が始まるらしい」ということを同期の助産師から聞いたのが、2014年でした。 こちらの記事に書いたように、日本看護協会の助産師クリニカルラダーができたばかりの頃です。 「え?なにを申請するの?」と尋ねたら、分娩介助の記録と研修に…

チンゲンサイ

今年は暖冬のおかげで、キャベツや白菜が安定した価格で助かりました。 でも出荷時期が早まってこれからの時期に出荷量が減るらしく、ちょっと心配ですし、天候に左右される農業に従事している方は本当に大変ですね。 1年を通してかなり安定した価格で、いつ…

アドバンス助産師とは 8 <「アドバンス助産師5562人誕生!」>

日本看護協会広報部が2015年12月15日に発表した「アドバンス助産師5562人誕生!」という報道関係者向けのニュースリリース記事がありました。 直接リンクできないようなので、そのまま全文を紹介します。 (「アドバンス助産師、日本看護協会、Explore Doc」…

アドバンス助産師とは 7 <新人を育てるための社会の寛容性>

「分娩経験例数100例」と聞くと、「一人前を認証する意味はあるか」に書いたように、おおよそ「一人前の助産師」のイメージです。 だいたい一通りの業務や判断がようやくできるようになったあたりという感じでしょうか。 ストレートに22歳で助産師になった場…

アドバンス助産師とは 6  <「分娩介助例数100例」の持つ意味>

私が「分娩介助例数100例」に達したのはいつだったのだろう、その頃の私はどんな感じだったのだろうと思い返していますが、なんだかはるか昔のことであいまいです。 たぶん、助産師資格取得後3〜4年目ぐらいだったと思います。 比較的早く経験できた方ではな…

「アドバンス助産師とは」 まとめ

助産師の資格取得後にどのような段階を経て専門職としての知識や技術を高めていくのか、ようやく2012年に客観的なラダーが作成されたと思ったら、そのラダーの評価や活用方法の議論もないまま、いきなり始まった認証制度が「アドバンス助産師」でした。 そし…

記憶についてのあれこれ 91 <良い習慣が残る>

人が認知症に対して抱く不安には、記憶が失われていくこともあると思いますが、それまで社会的な存在として身につけてきた数々の習慣が失われていくことへの不安もあるのではないかと思います。 身の回りのことができなくなったり、周囲の人への対応ができな…

「水のあれこれ」 まとめ

「水」と聞いて連想することが、年代によっても変わってきました。 10代の頃は、一時期住んでいた地域の水の美しさやおいしさを思い出していました。 20代になって医療職として働くようになってからは、清潔な水がないことがどれだけ健康に影響するか、その…

観察する 7 <足のいろいろな部分>

前回の記事では、足の「指」と書きましたが、解剖学的には「趾」という漢字を使います。 看護学生の時にはあまり何も感じずに、この足偏に止まるという漢字をそのまま覚えたのですが、よくよく見ると、足の指の機能をよく観察してできた字ですねえ。 足の指…