米のあれこれ 80 品川用水が潤した田んぼ

大崎周辺の高層ビルのあたりからS字カーブを抜けてきた下りの東海道新幹線がヘリポートの盆踊りの人たちの向こうを静かに過ぎていく風景をみていたら、昭和から平成そして令和の今はいつだったかとちょっと混乱する感覚に陥りました。 すぐに東急大井町線の…

水のあれこれ 344 「谷が鹿の角のように入り組む」

大崎駅から歩き始めた時に、空を見上げたら11月初旬だというのに入道雲が見えました。暑くなりそうと思った通り、東海道新幹線沿いの起伏のある場所を歩いているうちに汗が出てきました。 ようやく少し平らな場所になり、湘南新宿ラインの踏切を渡ると今回の…

鵺(ぬえ)のような 26 正義の熱狂を車窓から思い出す

品川駅を出てすぐのS字カーブのあたりを歩きたいとずっと思っていたのは、新幹線の線路沿いの地形や地域の歴史を歩いてみたいと思う理由と、もう一つありました。 そのものずばり、第一三共研究開発センターのそばを歩いてみたいというものです。 夢は叶いま…

散歩をする 492 S字カーブを大崎から歩き始める

昨年11月は晩秋というのに熊の活動が各地で活発で近場の散歩になり、初旬に武蔵野台地の舌状台地を確認しながら新幹線を眺めようと出かけました。 大崎から西大井まで線路沿いの地域を歩き、西大井からは立会川の暗渠部分を歩こうという計画です。 *大崎駅…

存在する 34 大崎から多摩川までの舌状台地

「すでに東海道新幹線の東京駅から多摩川まではほとんど歩きました」と豪語したのですが、実はまだ片側だけだったり気になっていた場所は歩き尽くせていません。 遠出をする時には品川駅から乗車することが多いのですが、出発するとすぐに左手の切り通しの上…

ブロッコリー

深谷のねぎ畑は壮観で美しく、そして岡部駅へ向かう途中のブロッコリー畑もそして本庄市の備前渠用水のそばのブロッコリー畑も10月下旬の秋の日差しの中でそれはそれは美しいものでした。 あちこちを散歩をしていると、ほんとうにブロッコリー畑が増えたこと…

水のあれこれ 343 「漸く」

備前渠用水路の年表を読んでいた時に、Wikipediaに書かれている1828年(文政11)の用水路の復旧について「漸く取り入れ口の復旧が開始される」という一文でつまづきました。 「漸く」はなんと読むのでしょう。 難しい字でもなく「漸次」で日常的に目にしてい…

散歩をする 491 備前渠沿いに利根川によって袂を分かち合った地域へ

散歩をするようになって、水辺にはさまざまな案内板があることを知りました。 それを読むだけで、まるでそこが歴史資料館であるかのようにその地域の歴史や地理が浮かび上がるように見えてきます。 これもまた博物館制定法以降1950年代から60年代ごろの各地…

行間を読む 202 備前渠用水の石碑と年表

備前渠用水路のそばに立つ大きな石碑は一見新しく見えたので戦後のものかと思ったのですが、裏に回ると昭和7年(1932)のもののようです。 わずか90年ぐらい前の方々は、難しい漢字や言葉を使われますね。 碑文の一番上に禾黍油油のような4文字が彫られてい…

水のあれこれ 342 備前渠用水路

氾濫原だった集落を抜けて堤防の上に出ました。 青々とした川面が見えると思ったのですが河川敷は防水林で覆われていて、どこが利根川かそして並行して流れる御陣場川かもまったくわかりません。 林を見下ろすように堤防の上を歩いていると、少し先に水門ら…

仕事とは何か 18 虚業と実業

ブログを書き始めてから、いつか頭の中を整理して書いてみたいと思っていたのが今日のタイトルです。 渋沢栄一氏の「我が人生は実業にあり」の「実業」はどんなイメージだったのだろうと想像しているうちに、少し雲が晴れてきました。 コトバンクの「精選版…

水の神様を訪ねる 96 利根川の氾濫原に開けた集落の神社

散歩の1日目のメモを読み返していたら今回の散歩はなんと「前夜急遽決めた散歩だったが大満足」と書き残していました。 そうでした。前日なのでもうホテルは取れないかなと思いつつ予約できたので決行し、本庄に宿泊。 見晴らしの良い部屋から新幹線の高架橋…

散歩をする 490 血洗島から岡部駅まで歴史を歩く

美味しい煮ぼうとうに満足し、渋沢栄一氏の生家から駐車場のトイレの中まで、渋沢栄一氏の生きた時代について考える場所でした。 13時20分に散歩を再開し、いよいよ「血洗島」という地域へと向かいました。 薬師堂を曲がると、昔懐かしい住宅地と広い畑に祖…

シュールな光景 34 政治家は「骨」がお好き

ニュース記事に忽然と「背骨勉強会」なんて言葉が表れたので、びっくりしました。 自民党の人材養成組織「中央政治大学院」が中堅や若手議員などに向けた勉強会を4日から開始する。党派閥の政治資金パーティ収入不記載事件を受けて6派閥のうち4派閥が解散を…

行間を読む 201 「成功は社会のおかげ」

「渋沢栄一が好んだ煮ぼうとう」を食べたら気が変わって生家に立ち寄ったのですが、その駐車場にもまた渋沢栄一氏の説明がありました。 我が人生は実業にあり。 渋沢栄一 天保十一年(一八四〇)豪農、渋沢市郎右衛門の子として誕生。昭和六年(一九三一)九…

食べるということ 95 渋沢栄一が好きだった煮ぼうとう

渋沢栄一氏の生家の隣にあるお店で、煮ぼうとうを食べることにしました。 ほうとうといえば山梨県ですが、子どもの頃に山梨を訪ねて食べた記憶があります。母の好みに合ったようで、その後時々食卓にのぼるようになったのでした。野菜がたっぷり入ってかぼち…

行間を読む 200 渋沢栄一が生まれ育った血洗島

たしか「ブラタモリ」で深谷の回があった記憶があるのですが、2021年5月1日の放送だったようです。 「埼玉・深谷〜"近代日本経済の父"はなぜ深谷で生まれた?〜」 渋沢栄一の原点はふるさと・深谷にあった!?その秘密をタモリさんがブラブラ歩いて解き明かす!…

水のあれこれ 341 深谷駅近くの下台池公園

20分ほど遅れの湘南新宿ラインに乗り、休日の遠出は車窓の風景に集中できるグリーン席を奮発して出発しました。 2階席の眺めは、いつもの沿線の風景がまた違って見えるのも面白いですね。 住宅が密集して崖線もわからなくなった都内の風景から荒川を越え、北…

落ち着いた街 49 落ち着かない街になっていくのは

深谷へ向かうのに渋谷駅から湘南新宿ラインに乗るつもりでしたが、どこかの駅で人が転落したとのことで大幅に遅れていました。 列車を待つ間、ぼーっと渋谷駅にたたずんでいると、あの山手線の外回りと内回りのホームを一緒にするための線路付け替えで歴史的…

散歩をする 489 ただひたすら利根川沿いの水路を歩く〜深谷から本庄へ〜

昨年の秋は熊出没のニュースが多く遠出をためらっていましたが、台風や秋雨前線の季節なのにほとんど雨が降らず秋晴れ続きでしたからなんだか出かけないのはもったいなくて、エイっと1泊2日の散歩を決行しました。 利根大堰から利根川への関心が広がり、これ…

助産師の歴史 11 「正常分娩を保険適用の対象に」という提言を出した人がいる助産師の世界

「医療機関ごとの出産費用・分娩実績が一目瞭然」という厚労省から公開されていた「出産費用の見える化について」を読んでみました。 日本の分娩の全体像ともいうべきデーターですが、今まで厚労省は把握していなかったのかと逆に驚きました。 わざわざ厚労…

出産の正常と異常について考えたこと 6 より異常にさせないための無償の部分

このブログを始めた12年前は出産の安全性についての時代の葛藤の最中で、助産師や一部の産婦さんたちに広がっていた「正常な分娩は助産師だけで」という風潮に対してどうしたら「終わってみないとお産が正常だったかどうかなんてわからない」ということが伝…

事実とは何か 108 「26年度をめどに正常分娩の保険適用を目指す」?

先日、「医療機関ごとの出産費用・分娩実績が一目瞭然、厚労省が比較サイト開設へ…値上げの歯止めも狙い」という記事があり、その中の一文に「えっ?いつの間にそんな話になったのか」と驚きました。 厚生労働省は今春に、各地域の医療機関ごとに出産費用や…

生活のあれこれ 38 築いてきた生活を急に変えさせられることが増えた

買い物一つとっても、さまざまな歴史があり、それぞれの人の生活習慣が少しずつ変化してきたことによって社会も変化してきたのだろうと思います。 ただやはり思い返すとこの半世紀ほどは、人類にとって「買い物」も驚異的に変化する時代だったといえることで…

実験のようなもの 12 セルフレジは「社会的失敗」

セルフレジについてのもやもやを書きましたが、そのわずか3日後に大地震が起きました。電気や通信のインフラの復旧に時間がかかっていた被災地の様子を見ると、買い物にもリスクを分散していた方が良さそうですね。 ポイントとか電子マネーも混乱が大きそう…

散歩をする 488 目久尻川から高座渋谷へ

目久尻川にかかる橋のたもとでぼーっと新幹線の通過を待つあやしい人になってしばらく立っていましたが、待っている時には通過しないものです。 10月下旬で日が暮れるのも早いので先を急ぎました。 目久尻川左岸は急な上り坂で、上り切った台地の上には苗木…

米のあれこれ 79 目久尻川の水田地帯と河童

数年前から年に何回か東海道新幹線に乗るようになって、最初の頃は大きな川がランドマークでした。そのうちにいつの間にかその前後の景色を記憶するようになってあの温水プールが見えるとじきに相模川だと覚えました。 新幹線の線路に対して斜めに川が流れて…

散歩をする 487 倉見駅から「あの場所」を目指す

昨年秋は熊出没のニュースが多かったので、出かけたい場所はたくさんあるのに涙を飲みました。 そんな時には散歩の原点に戻って車窓から見えた風景を歩くことにしようと地図を眺めました。 都内の東海道新幹線の沿線はほぼ歩いたので、神奈川県内を歩いてみ…

散歩をする 486 新幹線の車窓から見えた場所を歩く

昨年10月中旬の豊川(とよがわ)と牟呂用水そして豊川用水を訪ねる散歩に出かける朝、偶然みたテレビで1960年代のまる鼻の東海道新幹線がまだ沿線に何もない地域を通過していく様子を空撮していた映像をみたことで、かねてから心の中にあった無謀な計画がは…

境界線のあれこれ 106 貨幣とポイント、公と民

東京都の早起きしてね運動は2016年の都知事選の公約「7つの0(ゼロ)」の満員電車の改善でしたが、今回の都の物価高対策はどんな公約に基づくものだろうと、「東京大改革2.0 東京の未来は都民と決める」を読んでみました。 *公約にありましたっけ?「1万20…