10年ひとむかし 29 <野菜や果物の保存>

昨年は本当にたくさん柿を食べました。
12月に入ると柿が店頭から消えて寂しいと書きましたが、今も冷蔵庫にいくつか入っています。


いつ頃からだったでしょうか、私が行くスーパーに個別包装の柿が出回るようになったのは。
たぶん、ここ数年ではないかと思います。
少し風味は落ちますが、まだもう少し柿を食べ続けたいと思う願いがかなうようになりました。
しかも、柔らかくなりすぎず、ほどよい歯ごたえを維持しています。


ほんと、すごい技術ですね。


日常的にピーマンを始め、こうした野菜や果物の保存袋の恩恵を受けているのですが、最近は、あまりにも当たり前の感覚になってしまうことがあります。


冷凍庫と電子レンジが家庭に普及した1970年代は、肉や魚の保存が家庭でもできるようになりました。
それでも、まだ冷凍技術も解凍技術も今に比べると悪かったので、味は落ちたような記憶がありますが。


冷凍野菜もぼちぼちと店頭に並ぶようになったのですが、まだ野菜は生のまま購入して腐る前に消費するものでした。
葉もの野菜は紐でくくられて、何も包まれていない状態で売られているものがほとんどだったので、家に帰ってから新聞紙にくるんだり少しでも保存できるように工夫していたような記憶です。


80年代頃だったでしょうか、今の家庭用の野菜保存袋が発売されました。
値段が高めでしたが、たしかにその袋にいれるだけで鮮度を保てるようになりました。
ただ、高価だったので洗って使い回す手間がかかり、結局、使うのをやめました。


そのうちに、葉もの野菜が現在のような保存袋に入って売られるようになり、さまざまな野菜や果物に応用され始めました。
通常の冷蔵庫でも日持ちがよくなり、「あ、買っていたのを忘れた」と冷蔵庫の奥から見つけてもけっこう新鮮で、ゴミになることが少なくなりました。
保存袋はゴミになるのですが、資源ゴミとしてリサイクルできるようになり、子どもの頃から考えると夢のような生活です。



この野菜の保存袋の歴史についてずっと気になっていて、時々検索したり、書店でも探してみるのですが、見つからないままです。
どなたかご存知の方がいらっしゃったら、是非おしえてください。


冷蔵庫には年末に購入したキャベツやピーマンが健在です。
そして、天候不順でも大災害のあとでも、いろいろな種類の野菜を年中食べることができるのは、産地リレーという生産と流通の皆さんの努力とともに、この保存袋の進化もあるのだろうと思います。



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