気持ちを切り替える

昨日は応援している選手の一人、背泳ぎの古賀淳也選手が100mに出場予定でした。


決勝は14時開始だったのでまだ時間があると思い近くの公園でお弁当を食べてから会場へ向かったところ、何と予選で9位のため決勝ではなく13時からのB決勝で競技は終了したあと。
泳ぎを観ることができなくて残念でした。


短水路選手権では予選・準決勝・決勝と進むのではなく、予選で8位までが決勝、9位から16位までの選手がB決勝に進みます。
長水路なら予選で失敗してもとりあえず準決勝で立て直して表彰台へという可能性がありますが、短水路の場合には9位であれば表彰台は関係のない闘いになります。
古賀選手の予選タイムは53.42秒でしたが、B決勝では51.89秒。
決勝で1位だった選手が52.11秒なので、全体で見れば一番速いタイム。
順位は9位のままですが、気持ちを切り替えてB決勝で集中してタイムを出せるところが古賀選手の、あるいは競泳選手の精神力の強さでもあると思います。


古賀選手は北京オリンピックの代表選考会からもれた後、ものすごく変わりました。
精神的に動じない、気持ちを集中させる訓練に重点を置いたようです。
その後世界水泳で金メダルをとりましたが、それ以降、どの試合のどの結果にたいしてもいつも謙虚な姿勢を見せてくれます。
勝っておごらず、負けてくさらず。
予選タイムが思うように出なくても、わずかの休憩時間で気持ちを切り替え泳ぎを修正する、それは何度もくやしい思いをして集中力や精神力を鍛えているからこそできるのでしょう。


ここ数年で、選手たちの優勝インタビューが格段に良くなったように感じます。
以前は、思うような記録が出ないと泣いたり悔しさだけを表現する選手が多かったのですが、最近は冷静に自分のレース展開を振り返ってその反省を次にどのようにいかしていくかというところまで分析できる選手がほとんどです。
感情は抑えた話し方なのに、より感動させられるものです。


力まないということとともに、この気持ちを切り替えることの大事さも競泳の観戦を通して学んだことのひとつです。
過酷な練習で自分の体に叩き込んだラップタイムや微妙な体の動きで感じる抵抗のない泳ぎ、自分にとって最高の泳ぎと自己ベストの記録をだすためには集中するための精神力が大事ということでしょう。


応援している選手の勝敗や新記録がでることのおもしろさももちろんありますが、本番のレースの百分の1秒にそれまでの練習の成果を出そうとする真剣な姿に心の底から突き動かされる何かを与えられます。
競泳を観戦して10年。
なぜ毎年ひきつけられて観戦に行くのか、それは自分自身の困難な時に乗り越える力の源になっていたのだと改めて思いました。


<予告>
このまま競泳ブログに趣旨替えしたくなりそうな気持ちを抑え、次回からはまた通常モードにします。



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