助産師の「開業権」とは何か  5  <助産所業務と料金>

助産師業務料金>


開業するからには、事業を継続するだけの収益をあげていく必要があります。
助産所にはどのような業務内容に対して、どのような料金設定がされているのでしょうか。


日本看護協会の「助産師業務要覧」に2008年までの「助産師業務料金の例」として東京、京都、宮城、神奈川の4助産院の実例が掲載されています。
金額の差もあるのですが、なにより料金を設定する業務名称も統一されていないようです。
具体的には、上記の4助産院では以下の名称が使用されていました。

「分娩費用」「分娩入院」「分娩相談」「妊婦健診」「妊婦検診」「出張健診」「母乳相談」「育児相談」「保健指導」「乳幼児健診&育児相談」「各種相談」「沐浴」「産褥入院」「乳房外来」「訪問ケア」


日本助産師会のホームページには「助産所業務料金参考表」があるのですが、そこをクリックしてもリンクできませんでした。
現在、この料金参考表を知るためには、会員になるか「助産師業務料金参考表(平成21年9月改訂版)」(1,500円)を購入するしかないのでしょうか。


助産所の業務と料金の実際>


とりあえず「日本助産師会助産師業務料金表を参考にしています」と書かれたいくつかの助産所の料金を見てみました。


妊婦健診や分娩という助産に関わる部分は、自治体の無料券や出産育児一時金の直接支払い制度によって、おおよそ同じ料金に設定されているように見受けられました。


業務内容と金額に大きな差があるのが、「母乳相談」「育児相談」あるいは「各種相談」にあたる部分でした。


たとえば沐浴指導をみると、1回1,500円、2,000円、2,500円というところから高いところでは5,000円のところもありました。


母乳相談、育児相談という名称については、乳房マッサージを含めるものから相談のみのものまで明確な基準がないようです。
乳房マッサージも「乳房マッサージ」「乳房管理指導料」「乳房管理料」「母乳ケア」などさまざまな名称が使用されています。
安いところで3,500円(乳房マッサージを含む)、高いところは初診で6,000円と大きな差がありました。
都市部などの物価にあわせた料金設定というわけでもなさそうで、都市部でも安い料金の助産所もありました。


以上については料金設定の根拠が明確かどうかは別にしても、助産師が保健師助産師看護師法によって定められている業務に準じたものと考えられます。

助産師業務は、正常な場合の「助産または「妊婦、じょく婦若しくは新生児の保健指導」が中心となる。(助産師業務要覧 p.24)

新生児の定義は正確には生後28日までの赤ちゃんを指しますが、通常は1ヶ月健診頃までの概ね生後1ヵ月までと考えられていると思います。


助産師業務要覧の中では、助産師の業務権として「助産師自身の判断で行い得るもの」として以下の5項目を挙げています。

1.助産または妊婦、褥婦もしくは新生児の保健指導
2.助産師の業務に当然付随する行為
   「へその緒を切り、浣腸を行い、心音聴診器、血圧計、  骨盤計を使用するなどの行為」
3.臨時応急の手当て
4.乳房マッサージ
5.母体保護法の規定による受胎調節実地指導    


ところが、「各種相談」には、母子関係だけでなく祖父母を対象としたものや、思春期相談、更年期相談などを掲げているところもあり、1回5,000円というところが多いようです。
1ヶ月健診や乳児健診を掲げているところもありました。
この相談の法的根拠は何になるのでしょうか?


また多くの助産所で、この助産師業務に相当する内容に民間療法が並列されていました。
ベビーマッサージ」500〜2,000円、「マザー整体」「ベビー整体」各3,000円、
トコちゃんベルト指導料3,000円、「骨盤調整」「アロマオイルケア」「クラニオセイクラルセラピー(頭蓋仙骨療法)6,000円など多種多様でした。
このような民間療法を助産所で取り入れるための規定のようなものはあるのでしょうか?


今日はとりあえず、疑問に思ったことを書いてみました。
どなたかご存知の方がいらっしゃったら、ぜひ教えていただけますでしょうか。


一応助産師の業務に含まれている「乳房マッサージ」ですが、開業という視点から次回は考えてみたいと思います。




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