松田丈志選手  NHK「アスリートの魂」

楽しみにしていた競泳の松田丈志選手の番組を録画で観ました。


先日の日本選手権での泳ぎが軽い印象があったのは、2回目のキックを早めに打つようにフォームを変えたからだったのですね。
試合前に短期間でフォームを変えるのは、とても決断の必要なことだと素人でもわかります。
最後の50mでやや失速したけれど、それでも150mまでは日本記録を上回るペースだったのはフォームを変えたことが決して失敗ではなかったということだと思います。
またまた今後の記録への挑戦が楽しみです。


初めて松田丈志選手を知ったのは、彼が中京大学1年生で出場した日本選手権だったように記憶しています。
その頃はまだバタフライではなく、中・長距離の自由形での出場でした。


スキンヘッドにゴーグルの出で立ちは、競泳選手の中でも目立っていました。
400m、800m、そしてその頃は1500mにも出場していたと思いますが、後半の疲れを感じさせない(本人は疲れていると思いますが)泳ぎで後続の選手を引き離していく様子は圧巻でした。


小学生の頃からビニールハウスの中の手作りのプールで泳ぎこんでいたことを以前知った時には、やはり努力の人だったのだと納得しました。
ターン後のちょっとした浮き上がりの差、ちょっとした気持ちのぐらつきだけでも、そのわずか0.何秒の違いで一年間の努力が終わってしまう競泳。
何度も何度も泳いで、体にラップタイムを刻み込んでいくしかないのだと思います。


でも泳ぎこんでいくうちにふと水への抵抗を少なくするフォームを体得したり、スピードを出しても苦しさが少なくなってきたり、そんな充実感が得られるからこそたくさんの選手が過酷な練習を積み重ねているのでしょう。


今回の番組の中では久世コーチの200冊にも及ぶ練習日記も紹介されていました。
観察し、記録し続ける。
無数の選手やコーチの同様の積み重ね、それが現在の競泳界の科学的トレーニングにつながっているのだと思います。


久世コーチが松田選手に伝えた言葉、「大きい息の長い選手になればいい」「折れない魂」。


そうそう、競泳に魅かれて選手権を観に通い続けるのは、こうした言葉を観ているだけでも与えられているからだと思います。
分娩介助も授乳支援も、本当にコツコツとそのつど全身全霊で関わり、振り返り、より良い方法を見つけるしかないことです。
誰がやっても良い方法とかすぐに効果のある方法なんてないし、あるいは今回うまくいっても次には全然応用が効かなくて落ち込むこともあります。
地道に経験を積むしかないのですね。


そして応援している選手が良い結果をだしても謙虚にインタビューに答えている姿は、まだまだ伸びしろがあることを感じさせます。
そういう姿勢が私自身の気持ちを新たさせてくれます。
そう、自分も慢心せずに仕事に向き合おうと。
選手のみなさん、関係者のみなさん、ありがとう!