努力や思うようにいかなかった経験は必ず・・・

昨日までの、Japan Open 2012に酒井志穂選手の姿がありました。
4月の日本選手権で背泳ぎのオリンピック代表になると思っていたのに、まさかの0.02秒の差で代表落ち。


日本選手権の100mの選考でもれた日にも朝方まで泣いていたそうですが、気持ちを持ち直して200mに出場しました。
その日の試合直前のアップの様子も泳ぎが軽くて、絶対に大丈夫と私も思っていました。


ちなみに競泳の試合の前に早めに会場に行くと、選手が最後の調整で泳いでいる姿を見ることができます。それも競泳大会の楽しみのひとつです。



200mのほうが酒井選手の得意とする種目でしたが、派遣標準を0.13秒下回り代表入りはできませんでした。
そのあとの会場でのインタビューはしっかりと答えて立派でしたが、その後はずっと号泣していたそうです。


もうこれで酒井選手の泳ぎは見られないのかなと淋しく思っていたところ、ぼちぼちと泳ぎ始めていることを知りました。


そして今回の大会では、100mで2位、50mで3位と健在ぶりを見せてくれました。
日本選手権のあと、泳ぎを再開することも試合に出ることもどんなに不安があったことでしょう。
あの酒井選手の美しい泳ぎを見ることができて、本当にうれしいです。


日本の女子背泳ぎもレベルが高いので他の国だったら余裕でオリンピックに行けるタイムだし、酒井選手のように国際試合の経験が豊富な選手なら決勝進出もメダルも可能な位置にいると思います。


日本の場合、メダル獲得、16位以内を目指して派遣標準記録が決められています。
それはそれで基準が明確でよいのかもしれませんが、ずっと国際試合まで経験してきた選手が日本選手権で1位2位になっても代表から落とされるのは、反対にそういう経験を無駄にしていまうのではないのかなと思ってしまいます。
国際大会での会場の雰囲気に飲まれないようにすることや、がむしゃらに泳ぐのではなくレース展開を考えていくことなど一発勝負ではないところがあると思います。
多少目標を下げても最初のオリンピックを経験し、そして4年後にもう一度その経験を生かせるような息の長い選手を育てることも必要ではないかと、素人ながら思います。


同じく、日本選手権でわずか0.05秒の差で代表になれなかった古賀淳也選手は今回の大会には参加していませんでしたが、現役続行を決めたそうです。


二人の泳ぎを来年の世界水泳で見られると思うと、本当に楽しみです。
日本選手権の悔しかった経験を生かせることができる二人だと思っています。
タイムやメダルよりも、この二人の美しい泳ぎとインタビューの際に感じられる潔さのようなものに励まされている私です。