助産師と自然療法そして「お手当て」3 <14才までの子どもへのマクロビ>

私自身が民間療法をよく使う家庭で育ったことはこちらの記事
で書きました。


1960〜70年代ですから、国民皆保険制度になって医療が身近になり始めた過渡期の時代だったといえるのかもしれません。
ですから、親にとっても「これくらいは病院に行くほどではない」という判断で民間療法にするか、受診するかを選択していたのだろうと思います。


私の兄弟が小さい頃に手術が必要で入退院を繰り返していたのですが、両親は当時その手術の第一人者と言われた医師を探してまで入院先をきめたぐらいだったので、決して医療を否定していたわけでもなかったのだろうと思います。


私がなにかにかぶれてかなり広範囲にただれた時に、どこからか葉っぱを貰ってきて煮だしたもので湿布をされた記憶があります。
あるいは骨折などは整形医院ではなく、必ず接骨院でした。


兄弟は大きな病院に連れて行ってくれたのに何で私は病院へ連れて行ってくれないのだろうと、不安とちょっぴり嫉妬があったのは親には内緒です。


また父は自分の信仰と健康への関心から菜食に近い食事をしていましたが、私たちには肉や魚など栄養のあるものを食べさせてくれて、決して自分のやり方を家族に押し付けることはしなかったことには感謝しています。


<「14才までの食事が一生を決める!?」>


前回の記事で紹介した「良い子が育つ 子育てマクロビ教室」(中 美恵著、講談社、2009年)から、マクロビオティックの子どもの食事についての考え方を見ていこうと思います。


小見出しにあるように、0才から14才までを一区切りとした考え方があるようです。
その時期の「食べ方の基本」として、以下のように書かれています。

0〜14才の食べ方の基本
*塩気は控えめに
動物性食品は控えめにして、葉野菜を多めに
*玄米食を基本に(状況によって陰性の食品を混ぜる)

「動物性食品は控えめに」と「陰性の食品」というあたりで?と感じる程度で、それほどおかしな内容とは感じないかもしれません。


最初の「塩気は控えめに」については、生活習慣病予防の考え方とも違うようです。


マクロビの陰陽という考え方について、以下のように書かれています。

マクロビでは、すべての現象を陰陽のエネルギーの変化と調和で見ていきます。「陰性」は上昇や緩まるエネルギー。「陽性」は凝縮や引き締まるエネルギーです。
(青字強調は原文のまま)

この考え方に基づいて、0才から14才までの間、塩分が控えめにしたほうが良い理由が以下のようです。

0歳から14歳までは上昇のエネルギーのステージになります。「成長していく」「背が伸びていく」「臓器が大きくなっていく」、ドンドン大きく成長していくときなので、陰性の上昇するエネルギーが一番必要なときになります。
この時期、塩気はあまり必要ではありません。塩気は凝縮する陽性の力を持っているので、成長に必要な上昇のエネルギーを妨げるからなのです。

そして「動物性食品は控えめ」にする理由は、以下のように書かれています。

また、この時期は内臓の働きが十分でないので、消化活動にカラダのエネルギーを消耗する動物性の食品、例えば肉や魚(特に赤身)、魚卵・鶏卵などはできるだけ避けるほうがカラダの成長を助けます。
マクロビで考えると、動物性の食品は凝縮する陽性の力を持っていますので、この時期にはあまり多くを摂る必要はありません。特に7歳までは、取り入れなくてもカラダは成長していきます。どちらかというと、上に伸びる力を持っている葉野菜を多く食べるほうが成長をたすけるのです。
(青字強調は原文のまま)


<成長期について必要な栄養の考え方>


マクロビの肉食についてはdoramaoさんの「マクロビオティックは肉食を禁じていない?」が参考になると思います。


そのdoramaoさんの記事をお借りして、孫引きの引用です。すみません。

自然を破るもの、即ち身土不二の原則を踏みはずしたもの、(季節と郷土の伝統が許さないモノ)白米、白パン、獣肉、砂糖、果実、菓子、牛乳等は摂らざるを原則とする。
(強調は引用者による)

つまり、「取り過ぎなくていいですよ」「取り入れなくても成長しますよ」という穏やかな表現の基本は、原則を踏み外したタブーを示していることになります。


また「葉っぱ類は上に伸びるから」成長期に必要な食べ物であるといったとらえ方、類感呪術については同じくdoramaoさんのこちらの記事が参考になると思います。
また、この記事の中ではマクロビオティックの別の実践者が「塩分は30g摂ってもよい」と説明しています。


数年前にマクロビオティックを知ってから、何冊か本を購入しました。
doramaoさんの記事を辞書替わりにしてそういう本を何度も読んでみるのですが、正直なところ、どうしても陰性と陽性の食品という「概念」自体が頭に入らないままです。


看護教育の中では栄養学が当然、基礎科目としてあります。


私が学び、そして保健指導で使ってきた「体」や「成長」という意味と、「カラダの成長」は全く別の世界なのでしょうか。


もう少し、子どもたちへのマクロビオティックについて続きます。




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