新生児のあれこれ 8 <足の動き>

新生児を見ていると、「案外動くものなのだ」ということに驚かされるようです。


それがよくわかるのが、保育器内にいる赤ちゃんかもしれません。


保育器についてのトリビアパキスタンの手作りクベース(保育器)について書いてあるブログを紹介しました。


保育器をあまりご存知ない方もその写真をみるとイメージできるかと思いますが、赤ちゃんをオムツだけで保育器に入れます。


そのパキスタンの手作りクベースの写真をよくみると、保育器の中で赤ちゃんは斜めになって寝ていますね。
きっと、保育器に寝かせるときにはまっすぐの方向だったと思うのです。


でもじわりじわりと赤ちゃんは自力で移動して、斜めの方向まで向きを変えています。


保育器内の赤ちゃんは、時に頭と足の方向が逆になるほど動くことがあります。
コットで服を着せ掛け物をかけて寝かせた赤ちゃんはそこまで動くことはないのですが、ひそかに動いています。


<足を使って移動する、蹴る>


この移動力になっているのが、足の動きではないかと思います。


顔をひっかく手の動きで書いたように、新生児の手の動きは活発で日に日に巧妙な動きを取得しているように見えますが、それに比べて足の動きは、「けりが強いですね」ぐらいの感想や発見のようです。


なんとなく足をバタンバタンと動かしてそのはずみで偶然、少しずつ体が移動している感じで、一見「目的を持った行動」には見えないかもしれません。


あるいはバスタオルや毛布を掛けても掛けても蹴っ飛ばされて、「暑いのでしょうか?」という質問が時々お母さんたちからあります。


たぶん足に物があたると蹴らずにはいられない反射のような動きがあって、バタンバタンと蹴っているのではないかと思います。


そのうちに、早い赤ちゃんだと1ヶ月頃には蹴った反動で自分の体を半分ぐらい浮き上がらせることを発見するようです。
それが、寝返りという動きにつながっていくのでしょう。


「目的のないような行動」ですが、日々、自主トレーニングのような動きをせざるを得ないしくみで、次の動きにつながるようにプログラムされているかのようです。


<足の動き、本当に目的はないのか?>


もう一度パキスタンの保育器の写真をよく見てみると、赤ちゃんはなぜ斜めに移動しているのかわかると思います。


新生児や乳児は、体の一部、特に頭や足をどこかに密着させることで安心感を得えているような様子があります。


保育器内で少しずつ移動している時も、頭や足を密着させる場所を探しているようです。
コットに寝かせた赤ちゃんも、よく見ていると足をそーっと伸ばしてコットにピタッとくっつけています。


あるいはベッドに腰かけて、赤ちゃんをベッドに一旦置いたりした時にも新生児はとても興味深い行動をします。


足がそーっと伸びてきて、ピタッと腰かけている人の体に密着させようとするのです。
まるで触手のようです。


ちょっと意地悪をして、少しだけ離れてみます。
そうするとまたそーっと足を伸ばして、くっつこうとします。


新生児の足。
ただ動くだけでなく、もっと目的をもった行動があるように思えるのです。




「新生児のあれこれ」まとめはこちら