「お肌の曲がり角」よりも「筋肉の曲がり角」

25歳はお肌の曲がり角。


女性にしたらうれしくない宣告ですね。
私も20代の頃は、それまでぐんぐん女性として成長してきた矢先に、もう老いが忍び寄っていることを言われているようでいやーな気持ちにさせる一言でした。


そうだ、化粧品会社の陰謀だ!と(笑)。
検索してみたら、本当に化粧品会社の宣伝から広がったようですね。
「ジュジュ化粧品の歩み」の中に、「昭和43年 マダムジュジュEのキャッチフレーズ」として話題になったことが書かれています。



ところが、やはり25歳ぐらいを境に私自身も肌の張りがなくなってきたり、シミやそばかすが残りやすくなったことを感じました。
25歳、ちょうど私は東南アジアで生活をしてた頃で、化粧もやめて日焼けを満喫していたので、それは年齢のせいではなく環境のせいだとして老いへの変化を認めようとしていませんでしたが。



さらに検索してみると、25歳どころか18歳頃から皮膚の老化が始まっているような話もたくさんありますね。
なんだか「花の命は短くて・・・」みたいなことを言われているようで、余計な一言だなぁと思います。


でもキャッチーな言葉って、ほんとうに生き残りますよね。


<「お肌の曲がり角」よりも「筋肉の曲がり角」>


20代後半から40代に入るまで、私は東南アジアを行き来していました。
どこでも沐浴をするような村に住んだり、漁師のバンカに乗せてもらって辺境の村を訪ねたりしていましたから、美容的なことよりはどこにでもいけるような体力を作ることが人生の最優先でした。


体力には自信があった私をへこませたのが、30代に入って腰痛に悩まされたことでした。
こちらの記事に書いたように、通勤もそろりそろりと歩かなければならない時がありました。


30代だった1990年当時、まだ今ほど代替療法は話題ではありませんでした。
もちろん書店に行けば「○○は××で治る」という本は多かったし、医療もEBM(科学的根拠に基づく医療)が入ってきたばかりの時期でしたから、たとえ専門医が書いた一般向けの健康本でもまだまだ未検証の個人的体験談に基づく療法がたくさんあった時代だったと思います。


たまたま書店で購入した腰痛の本が整形外科医による本で、その内容が今現在でも本質的に変わらないきちんとしたものに出会えたことが幸いしました。


腰痛にもさまざまな原因がありますが、私の場合は加齢による筋力低下だったのだと思います。
その本に書かれていた筋力維持の重要性から、本格的に水泳を始めました。
週に2〜3回。
泳げる距離とスピードが増すに連れて、体幹部の筋力が鍛えられていきました。


腰痛の再発は今のところありません。(個人的体験談)


<更年期と筋力低下>


泳ぎ続けていたおかげで、20代よりはむしろ40代初めの頃の方が筋肉量が増えました。


二の腕のプルプルが減った代わりに力瘤ができましたし、肩から背部にかけても筋肉がつきました。
美容院に行ってシャンプーのあとのマッサージでは、美容師さんに「凝りで硬くなっていると思った」と筋肉の多さを驚かれることもありました。


わたしにとっては美容的なことよりも、世界の地の果てまでもいけるような体力のほうが望みだったので、筋力維持どころか増強できたことを喜んでいました。


ずっとこうして筋力を維持していけるものだと思っていた私を、次にへこませたのが更年期でした。
幸いなことに更年期障害の症状にはほとんど悩まされませんでしたが、ふと気づくとあれだけあった筋肉がどこへ行ってしまったのだろうと思うほど、再び筋肉が少なくなってきたのです。


同じペースで泳ぎ続けていますし、むしろ1回に泳ぐ距離は増えているのです。
あまり筋力を使わなくても泳げるようになったことも一因かもしれません。
ただそれならば、力瘤や肩・背部の筋肉の硬さは維持されるはずですが、筋肉自体が減っているのです。


骨格を支える筋肉が急に減ってきたと同時に、体のあちこちに突然痛みがでることが増えてきました。
たとえばちょっとした動きで体のどこかにピキッと痛みが走ると、それからその周辺の痛みがとれるまで1ヶ月ほどかかるのです。


こっちが治ったと思ったらこんどはあっちという感じで、家では湿布薬の買い置きが増えました。
高齢者が湿布薬を手放せない理由がようやくわかりました。


今まで同じように手首を使っていたのに、ある日突然腱鞘炎になりました。
調べてみると、女性の腱鞘炎は産後と更年期に多いとあります。
それまで産後のお母さんたちには腱鞘炎予防の話をずっとしてきた私なのに、うかつでした。


全身の筋力が急激に低下していく、それが更年期なのかもしれません。


<筋力維持の新たな段階>


30代、40代の頃は、ストレッチと有酸素運動を組み合わせることで筋力維持を図ることができていました。


ところが、40代後半から50代に入ると筋力維持も作戦を変更する必要があるようです。


たとえば腱鞘炎になると、最初の炎症と痛みの時期は部分的に固定して局所の安静が有効です。
ところが痛くないように動きを制限したりサポーターなどで固定すると、周囲の筋力まで落とすことになります。


ある時点からは、痛くても筋力を回復させるためのリハビリ的な動きも必要になりました。


これからしばらくは、全身のこうした不意打ちの痛みと筋力維持が私の課題なのかもしれません。


というわけで、女性の長い人生を考えたらお肌の曲がり角よりも筋力の曲がり角を意識したほうが良いかもしれませんという、思いっきり個人的な体験話でした。