哺乳瓶のあれこれ 15 <乳児の様子がうまく通訳されないと・・・>

さて、少し間があいてしまいましたが、なぜこちらの記事まで新生児の表現を通訳する難しさやまだ十分に通訳されていない話を書いてきたかというと、「過飲症候群」という言葉が生み出された背景にもこの新生児の通訳の間違いがあるように思えたからです。



「過飲症候群」としてお母さんたちが説明された内容などが書かれているブログからひろってきた「症状」を再掲します。

・飲みすぎて苦しい
・それでそっくり返って泣く、そり返りが強くなる(後弓反張)
・よく吐く、いきむ、腹部膨満
・多呼吸、鼻閉、喘鳴(ゼコゼコという呼吸音)
・便秘、下痢
・長期に続くと刺激に敏感になる(胃刺激性)
逆流性食道炎


「後弓反張(こうきゅうはんちょう)」「易刺激性」のように破傷風や脳の疾患などでしか使われないような言葉や逆流性食道炎という疾患名が使われると、いかにも大変なことのように感じてしまいそうです。


でも、おそらく初めて赤ちゃんを育てるときにも上記のような状況は日常的に経験するでしょうし、「大丈夫か?」と心配になりながらも「なんだかわからないけれど、大丈夫だろう」とおおよその判断がついているのではないかということを、「子どもたちの『症状』とマクロビ」の冒頭で書きました。


ところがそれを「異常」ととらえると、上記の記事の後半にあるような「良い子が育つ食べ方」、あるいは「育てにくい子」には舌小帯切除術を勧めるように、何か対応しなければいけないという考え方が出てきてしまう危険性があります。


ましてやその「異常」が、「哺乳後に児が泣くと、まだ母乳がたりないのではないかという不安感」という母親の心理状態や「ついついミルクを足してしまうという現象」という母親(もしくは養育者)の行動に原因があるとされるのであれば、いったいどうしたらよいのでしょう。


本当にそれらは「異常」なのでしょうか?
哺乳瓶の授乳ではそうした「異常」を本当に起こしやすいのでしょうか?
そのあたりを次回から、新生児の授乳時の様子を表現しながら考えてみたいと思います。