記憶についてのあれこれ 32 <美容室難民>

半世紀ちょっと生きて来た中で一番多く会う機会があった専門職というと、もしかしたら美容師さんかもしれません。


小学生までは母親が家で散髪していたので、ちびまる子ちゃんのような髪型でした。
初めて美容室に行ったのは中学生になってからだったように思うのですが、よく覚えていません。
高校生時代になると、さすがに母親にカットされるのは嫌だとおしゃれ心がでてきたのでしょう。近所の美容室に通いました。


それ以来、ほぼ毎月のように美容師さんにカットしてもらっているわけですから、いったい何人の美容師さんに出会って何百回カットしてもらったのだろうと思い返しています。


今年になって、数年来通っていたお店が閉店することになりました。
「あーあ。また美容室難民だ。また気に入ったお店を探さなければ」と暗澹たる気持ちでした。


私の髪型自体はそんなに複雑でもおしゃれでもないけれど、それでも美容師さんの技術、美容師さんとの相性あるいはお店の雰囲気など、やはり「ここにしよう」となかなか決まらないこともあります。


今回は幸いにして、近所に新しく開店した美容室に行ったところ雰囲気も良くて一発で決める事ができてほっとしました。


そのお店の美容師さん曰く、「信号の数より美容室の方が多いっていわれていますからね」と。
たしかに。


人間の髪が伸び続ける仕様である限り美容室の需要はあるのでしょうが、駅周辺は「激戦区」といわれるほど美容室があります。
けっこう繁盛しているように見えても数年から10年ぐらいで移転や閉店するので、ここ20年ほどで4回目の美容室難民になりました。


経営や後継者の問題など、話をきくといろいろと大変そうです。


<美容室遍歴のようなもの>


美容室を選ぶポイントというよりも、「ここはやめよう」と思ったポイントは何だったのかと思い出してみました。


絶対に却下というのが、入った途端にたばこのにおいがするお店です。
休憩室で分煙していても、店内へにおいが広がるのは「ある場所でだけ放尿を許されたプールのようなものである」わけなので、せっかくカットしてさっぱりした気持ちになっても台無しですからね。


実は、今年閉店したお店も、閉店直前になって急にたばこのにおいがひどくなり始めたのが気になっていました。お店を移ろうかと悩んでいたところ、お店の方が先に閉店になったのでした。
スタッフの方も、今後のことを考えてストレスがたまっていたのかもしれません。


たばこのにおい以外で、1度で止めたお店は以下のような理由でした。
・ずっとしゃべりつづける。
・他のお客さんのことを話題にする。
・お願いしたカット以外に、ヘアダイやパーマあるいは製品類を勧める営業トークが多い。
・飼っていた熱帯魚に餌をあげた手を洗わずにそのまま私の髪をカットし始めた(笑)。


まあそれぐらいは絶対条件ではなかったのですが、カットの途中で逃げ出したくなるほど嫌になったのは、助産院で出産した知人がそこで胎盤を食べたという話を得々と話し始めた美容師さんでした。
私の職業は明かさず、「ちょっとそれはまずいのでは」と困惑気味に聞き流しておきましたが、二度と行くのは止めようと思いました。


その美容院で毎回議論を吹っ掛けて説得するもいいのですけれど、カットのときぐらいまったりとしていたいですからね。


皆さん、どうやって美容室を決めているのでしょうか。






「記憶についてのあれこれ」まとめはこちら
たばこについての記事のまとめはこちら