美容室とマッサージ

美容室の話が続きますが、新しく出会ったお店で最初に伝えた事がありました。


「シャンプー後のマッサージは不要です」と。


もともと肩こりもないしマッサージとも無縁の生活であることと、人に体を触られるのはどちらかというと苦手です。


ただ今まではなんとなく「せっかくサービスでしてくれるので断るのは悪いかな」「アシスタントの人たちにとってはシャンプーとこのマッサージが大事な接客の仕事なのだろうから」と、断るのを遠慮していました。


でもここ数年、代替療法のことを考えたり調べているうちに、<「医療類似行為」に線引きが行われた時代」に書いたように、「マッサージ」とは直接人体に触れてもんだりさすったりすることなので、それを行う人にはきちんとした知識と資格が必要なのではないかと思うようになりました。


特に男性の力で頚部のあたりを揉んだり頚部を牽引するかのように力を入れる方法だと、まだ筋肉や骨格がしっかりしている若い人たちには問題がなくても、中高年では思わぬ損傷を与える事になるのではないかと心配になります。


<美容室での「マッサージ」をどうとらえるか>


美容室のシャンプー後のマッサージはいつ頃から始まったのだろうと、記憶をたぐり寄せてみるのですが思い出せません。


YAHOO!の知恵袋に「美容室での男性からのマッサージがショックでした。どう考えればいいでしょうか。」鍼灸師の方の回答があります。
昭和38年の法解釈が引用されていました。

通常の公衆浴場内や理容所内で一般に、数分の間行われている程度の行為は医学上及び社会通念上そのような効果を目的としているものとは判断しがたいし、また実際にもそのような効果を生じ得ないものと考える。


昭和30年代から議論があった、理髪・美容業界の「サービス」だったのでしょうか。


助産婦が乳房マッサージという呼称を法的に認めさせようとしたのと同じように、マッサージという医療類似行為に関する境界線はあいまいなまま現在に至っているといえるのかもしれません。


まして最近のように、「整体」「○○式マッサージ」「カイロプラクティック」などの看板がそれこそ信号機以上にあるのではないかという状況で、誰もが他人の体に触れて揉んだりさすったりすることへの敷居が低くなってしまったのかもしれませんが、もう一度その危険性を整理していく時期なのではないかと思います。


知恵袋の鍼灸師さんが以下のように書いています。

業とは「金銭の授受に係らず、不特定多数の相手に対して反復継続する意志を持って行うこと」です。
私たち(私は鍼灸マッサージ師ですが・・・)がマッサージのついでにカットやパーマをしても、お金をもらわずサービスで行うなら違法にならないのでしょうか。

「業」とするということはそれだけの責任を伴うことでもある、と言い替えられるかもしれません。


シャンプー後のマッサージを断りたい人は断れるという問題ではなく、美容師さんの仕事に本当にそれは必要なのかという点で見直してもらえたらと思います。


美容業界も私たち出産の界隈のように、なんだか演出のようなサービスが増えてしまったのかもしれません。


余計な演出は削ぎ落として、本来の美容の技術に専念してくださった方が、かえって受け手もリラックスできる時間になるのではないかと、我が業界を省みるのでした。