水のあれこれ 3 <水を飲む>

いつ頃からペットボトルの水が売られるようになったのでしょうか?


Wikipediaミネラルウォーターの「歴史」には以下のように書かれています。

一般家庭には1983年にハウス食品六甲のおいしい水』、サントリー『山崎の名水』が発売されたことをきっかけとして普及、日本国外のミネラルウォーターは、1980年代終盤から1995年にかけて輸入量が急伸し、これにより普及した。


確かに、私の記憶もこんな感じです。


1980年代半ばに東南アジアで暮らしたり旅行をしていた時には、日本よりはスーパーマーケットで水が売られているのをよく目にしました。
現地で普段の生活では水道や井戸の水を使っていましたが、出かける時にはペットボトルの水を買うこともありました。
なんとなくそのほうが安心と思えた反面、その製造過程はわからないので、現地でその国の水をただつめただけであればあまり大丈夫でもないのかという不安もありました。


それに比べて日本は安全に水が飲める国ですから、「飲み水をお金を出して買う」ことがこれほどまで社会に受け入れられるとは思ってもみませんでした。


私自身は、ペットボトルの水もあまりおいしいと思わないので買いません。
味覚が鈍感なのかもしれません。


でも小学生の頃に住んだ山間部の地域で飲んだ水は、本当においしかった記憶があります。
都内から引っ越して、家族の誰もが感じたことのひとつに水の美味しさがありました。
あの水のおいしさにかなうものはなく、あえてペットボトルやウオーターサーバーで水を買う気にはならないという感じです。


あの地域の水道水はどのように浄水されて各家庭へと来ていたのだろうと、その自治体の水道局のHPを見てみました。
その地域には雪解け水から豊富な地下水源があって、「原水だけでも大丈夫ではあるが、最小限の塩素を入れている」といったことが書かれていました。


子どもの頃に比べれば、都内の水もおいしくなったと思います。
椰子殻活性炭をはじめ、さまざまな対策がたてられてきたのでしょう。


水道水を飲み水にする場合もけっしてただではなく、「上下水道料金」を払っているわけですが、2ヶ月で数千円未満の料金を考えるとその大半は入浴や洗濯、あるいは食器の洗浄のための上・下水道かと思います。
安全な飲み水が、「ただ」のような料金でいつでも供給されていることをつい忘れてしまいそうになります。


そしてこの首都圏の水は、上流のダムから浄水場、そして各家庭への水道管という精緻で巨大なシステムによって供給されていることを、つい日常生活では忘れてしまいます。


バケツ一杯の水で生活した日々や、首都圏の水瓶のために移転することになった地域を訪ねた時の記憶を呼び戻す必要がありそうです。




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