駅の中で食べる

永田町駅の話の続きです。


永田町駅というのは、私にとっては乗り換えのために通過する駅でした。
「駅周辺」を見ても私には縁のない施設ばかりですし、地下ばかりを歩いているので地上の風景がどうなっているのかも知らないくらいです。


長ーいホームを歩き、長ーいエスカレーターに乗る。
その繰り返しの駅で、しかも年々混雑の度合いが増しているので、少々歩くのに苦痛を感じる駅でした。


ちなみに半蔵門線永田町駅のホーム全長は200mもあるのですね。
半蔵門線有楽町線よりの車両で下車して、銀座線の赤坂見附に行こうとすると520mも歩くことになるようです。
いやはや疲れるはずです。


そんな「無機質な」永田町駅でしたが、2〜3年前から雰囲気が変わりました。


半蔵門線から有楽町線へ向かう場所に、エチカフィット永田町という施設ができて、食事や休憩ができるようになりました。
それまでは、そこにはパンやお菓子の店があるくらいでした。


しかも、頼んだ食事はお店に関係なく好きなテーブルで食べられるように、広いラウンジがあります。


けっこういろいろな人が利用していました。
仕事中の人いれば、赤ちゃん連れのお母さんが一休みしていたり、ここだけはなんだかゆったりしています。


それまでは辰巳に競泳大会の観戦に行く時には、途中でお弁当を買ったり、簡単なおやつで空腹を紛らわして、帰宅してから遅い夕食を食べることがほとんどでした。
この施設ができてから、遅い昼食か早い夕食といった感じでここで食事をすることもあります。


以前は駅の中で食事をする場所といえば駅そばぐらいで、あわただしさと、男性が多い中に一人で入るのも躊躇する感じでした。あ、最近は平気ですが。



数年前に母の入院先にこだまを使って面会に行っていた時に、品川駅の構内をよく利用したのですが、デパートにでも入ったかのような駅の中の施設に驚きました。
改札を出なくても、食事をしたりお惣菜を買って帰れることに、あの忙しさと疲労感の中で何度も救われた感じです。


外食や中食は日常の生活からみると割高なのですが、時間の節約と体力・気力勝負の時にはお金には変えられないものがあります。


改札を出なくても、ちょっとした食事や買い物が駅の中でできるというのは本当に便利ですしクールな変化だと思います。


ただ、駅ナカの「問題点」を読むと、周囲の街への配慮も大事なようですね。
それでも、駅の中で食べたり買い物をする施設が発達するのは、たくさんの路線がつながり合い、かなりの距離を鉄道で移動する生活スタイルには必然性があるのかもしれません。