先日父に会いに行ったら、やはりあれははかない春の幻想の世界だったかのように、もう新緑の季節になっていました。
1週間というのは、これだけ植物にとっては変化がある時間なのですね。
先週は、まだわずかに新緑が出始めたばかりの山々に、ポツリポツリと咲いている山桜の白さが浮き上がっていたのですが、今週は見事に緑色になっていました。
それも、薄黄緑からやや濃い緑まで、その濃淡はまた幻想的でした。
山桜に代わって存在感を示しているのが、野生の藤でした。
あちこちに薄紫の花が咲いていました。
藤と言えば藤棚で目にすることが多いのですが、山に自生している藤をみるとかなりの高さまで花が咲いています。
藤ってこんなに大きくなるのですね。
Wikipediaの藤にあるように「つる性落葉木本」なので、巻き付かれた木にとっては大変そうです。
そして藤も「椅子などの家具に加工されることもある」と書かれていますから、ラタンの仲間なのですね。
藤についてのWikipediaの説明にある「木本」をさらにリンクすると、ふだん何気なく使っている「木」について「『き』『木』や『tree』というのは古代から用いられてきた呼称・概念である」として、以下のような説明がありました。
大多数の専門家が同意するような明瞭な植物学的な定義は提唱されていない。
そして「木本」については、以下のように書かれています。
「茎および根において肥大成長により多量の木部を形成し、その細胞壁の多くが木化して強固になっている植物。草本と対する」としている。ただし、この定義に厳密に従えば、木かどうか迷うパパイヤなどはもちろん、ナス・キクなど一般には「草」として扱われる多くの植物が木になってしまう。しかも、これらも種に固有の性質ではない。
草本と木本やパパイアについて以前書きましたが、いやはや専門的に定義するというのは本当に気が遠くなる作業ですね。
新緑の中に薄紫の花があちこちに咲く様子もまた、この時期にしかみることができない幻想的なものでした。
さて今日のタイトルは、こういう木を見上げるのではなく、下を向いていろいろな草が変化していることを発見したことを書きたかったのです。
わずか1週間で、あっという間にタチツボスミレの群生はスギナに被い尽くされて、先週はつくしとタチツボスミレだった風景が一変していました。
1週間に10〜15cmぐらいの成長ですから、凄まじい早さですね。
ムスカリはまだ咲いていたのですが、スギナに埋もれるかのようになっていました。
いったいあの植物にはどのような変化が刻々とおきているのでしょうか。
この時期の若々しい色合いのスギナの緑が一面に広がる風景も、また春の美しさですね。
その緑色を引き立てるかのように、薄紫色の小さな野草が咲いていました。
手元にある庭や野の草花の本では、名前が見つかりませんでした。2000種も載っている本なのですけれどね。
面会から帰る道、またずっと下を向いて庭や空き地の草花を見て楽しみました。
今まで知っていたつもりがその変化をあまり知らなかったり、知らない草花がたくさんあることに、またわくわくとさせられます。
けっこう「下を向いて歩こうよ」もいいかもしれません。
ただ、そろそろ蛇の子どもたちと遭遇する可能性があるので要注意ですが。