家に購入して30数年になる青いポリバケツがあります。
1970年代終わり頃に、看護学校に入学する際に購入したものです。
蓋はどこかにいってしまったのですが、本体は頑丈なまま今日も働いています。
けっこう手荒にどこかにぶつけたり、引っ越しのたびに今度こそ荷物の中で破損するのではないかと思うのですが、すごい耐久力ですね。
こうしたプラスチック製品の劣化の原因には、紫外線、熱、酸化などがあるようです。
このバケツは室内で洗濯物入れとして使用していて、重い水や洗剤などを入れてはいないことも、これだけ長持ちしている理由かもしれません。
見た目には少し傷で汚くなってきたのですが、買い替える気持ちになれないほど思い入れが強くなってきました。
このバケツをみると、これを購入した日の抜けるような青い空や、このバケツとともに過ぎた年月の日常の一コマが思い出されてくるのです。
そうそう、ポリバケツがぶつかるとカランと軽快な音がしますが、その音もまた記憶を呼び覚ますスイッチになります。
先日の、東京オリンピックとゴミ箱の記事で、あのポリバケツは私が生まれた頃に開発されたものであることを知りました。
そういえば、1960年代後半から70年代の小学校・中学校ではまだブリキのバケツが一般的だった記憶があるのですが、まだまだポリバケツは高価だったのでしょうか。
ポリバケツで検索していたら、TBSの「がっちりマンデー!!」という番組のサイトで、ポリバケツという名称は登録商標であることが積水テクノ成形の社長さんのインタビューの中で書かれていました。
1957年に積水化学が日本で初めてのポリエチレン製のバケツを生産販売し、「ポリバケツ」として登録商標になったそうです。
へえーー。
そう、嫁入り道具にポリバケツ! シャンパン入れにポリバケツ! 東京の超高級ホテルのゴミ箱にもポリバケツ!と今じゃ、考えられないくらい、オシャレなアイテムだったのです!
ウエデイングドレスをきたモデルさんがポリバケツを持っている広告が、なんだかシュール。
1970年代終わり頃にはプラスチック製品もあふれていたし、「ポリバケツ®」もふつうに山積みにして売られていました。
今の時代だとむしろ、ブリキのバケツの方が「オシャレなアイテム」かもしれませんね。
いえ、「オサレな」でしょうか。
次世代のバケツはどんなものになるのでしょうか。
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