前回の記事で紹介した東京建設業協会のサイトで、なぜ「水族園」になったかの理由を知りました。
葛西臨海水族園は、水族館ではなく「水族園」である。それは建物としての水族館という既存の概念を打ち破ろうとする姿勢から生まれた、新しい固有名詞である。この水族園は、単なる展示パビリオンではなく、水界の自然が身近に満喫できる水族の楽園として位置づけられている。東京の海(東京湾から伊豆七島、小笠原諸島)から世界の海まで、魚はもとより海鳥類まで広く収集し、生態的なテーマ展示を主体に、ショー的な面も加え、公立施設に相応しい知的な娯楽を提供する。東京の海の自然の保護と回復についての啓発の場、生物の環境・自然・人との関わりあいが学べる場など、「海と人との交流の場」としてのあり方も追求されている。
なるほど。
他の水族館はテレビで観たぐらいなので比較はできないのですが、ただ「きれい」とか「珍しい」だけではない何か好奇心をくすぐるものが葛西臨海水族園にはあると感じていました。
さて、なんといってもわたしのお目当てはマグロとペンギンです。
とくにマグロが大量に死んだことは、マグロをまた見に行こうと楽しみにしていただけあって衝撃的なことでした。
その後の状況を気にしながら待っていましたが、「ご心配おかけしました。1歳のマグロが仲間入りしました」と6月から展示が再開されました。
マグロの展示再開については、大水槽に入れた他の魚やマグロを死なせてはいけないというプレッシャーだけでなく、そういう展示そのものの是非を問う声などに水族園や関係者の方々もご心労がたくさんあったのではないかと想像しています。
マグロの群泳を見たいというのは、単に私の、というか人間側の興味でしかないのではないか。
マグロのニュースが伝わるたびに心がチクチクしていました。
<シュモクザメ>
さあ、いざ水族園へ。
まずエレベーターで下りると、シュモクザメやエイが悠々と泳いでいる水槽があります。
前回来たときもまずここでしばらくぼーっと見ていたのですが、その時にはアカシュモクザメのあの独特の頭の形に気を取られていたのか、目に入っていなかったことがありました。
アカシュモクザメの背中に小さな細長い突起があって、まるでレーダーのようにそれを左右に動かしながら泳いでいます。
あれは何なのだろうと検索してみましたが、ちょっとわかりません。
「サメの生態」 というサイトにサメのヒレについて説明がありますが、「第2背びれ」らしいことと「第二の背びれは、体がローリングする時に調整する役目をします」とあるぐらいです。
魚のどんな小さな部分や器官も、それが必要な理由があり発達してきたことを考えると、私はまだまだ目の前の魚を見ているようで見ていない部分がたくさんあるのでしょうね。
ところでWikipediaの説明では、アカシュモクザメはエイも捕食することがあると書かれています。あえて一緒の水槽に入れるのには理由があるのでしょうね。
訪れるたびに、新たな発見と疑問がでてくることがまた楽しいものです。
<大水槽の前でぼーっとする>
さてそのアカシュモクザメとエイの水槽を過ぎると、いよいよマグロの大水槽です。
前回のように、大水槽前のベンチに座ってみました。
あれ?マグロが6匹しかいません。
たしか70〜80匹近く展示されているはずなのですけれど。
でも悠々と泳ぐ姿はきれいなので、しばらくそこに座っていました。
6匹がほぼ同時に、同じ方向に向きを変えてまるでシンクロのような泳ぎでした。
その2階から1階へと移動すると、その大水槽には金色に光るマグロの群泳の姿がありました。「大洋の航海者」というその大水槽は円状で続いているはずなのですけれど、あの6匹がだけが群れを離れていたのでしょうか?
あの1匹だけ生き残ったという、ふたまわりぐらい大きなマグロの姿もありました。
大人も子どもも、息を潜めて見ている。
本当にみんながマグロの泳ぎに圧倒されていました。
感動とか楽しかったという感情だけでなく、もっと何か奥にある、自分の知らないことについての探究心とでもいうのでしょうか。
そして見るたびに新しい視点が出てくる、そんな充実感です。
次回からは年間パスポートを購入して、まだまだ見きれていない展示を見てみようと思いました。
「観察する」まとめはこちら。