言葉というものは不思議ですね。
ある状態を客観的に中立的に表現しているものもあれば、それを越えてなにか思想や価値観まで彷彿とさせたり、強いイメージを与えることもあります。
受け手側のそれまでの思考や経験からも、同じ言葉でも違う受け取り方もあることでしょう。
いつ頃からか「母乳育児」とか「母乳育児推進」という言葉を耳にするようになりました。
誰がいつ頃から広め始めたのだろう。
たぶん真相はわからないでしょうし、時代の変化というのはどこかで同時に同じようなうねりがでてひとつの表現へとつながっていくのかもしれません。
「母乳育児」に私が感じる違和感はなんだろう。
そんなことを考えてみました。
それ以前に、「育児」という言葉もなんだかしっくりこないのです。
それについては「育児」という言葉に書きました。
「育児」に対する違和感は、「あくまでも育児する側の視点しか表現されていない言葉」なのかもしれないと。
その「育児」に「母乳」をつけると・・・。
なにもそんな言葉に置き換えなくても、なにもそこまでしなくてもいいのに、簡単なことを難しくさせているのではないかと思うのです。
<2014年>
1. 「母乳育児」という言葉が使われ始めたのはいつか
2. 「母乳育児」の定義はない
3. 離乳食と補完食
4. 母乳育児のための「補完食」
5. 補完食とカップフィーデイング
6. 「補完食を食べさせる混合哺育」
7. 「断乳」と「卒乳」
8. 卒乳・・・より長く飲ませる方向へ
9. 断乳と卒乳、そして乳離れの境界線
10. おしゃぶりと卒乳の類似点
11. 母乳とむし歯
12. 2才までの母乳育児推進とむし歯の関係
<2015年>
13. 妊娠中の授乳
14. タンデム授乳
15. 1960年代の母子手帳より
<2016年>
16. 母乳育児推進とひとり歩きする統計
17. 1975年の3つのスローガン
18. 「母乳哺育率」の後ろにあること
19. 誰がその答えを求めているのだろうか
20. 「母乳育児」と「医学的根拠」の矛盾
21. 「母乳育児」と適切な「医療介入」・・・同じことを繰り返しているのでは
22. 母乳育児というイデオロギーにリスクマネージメントという言葉は通用しないかもしれない
23. 「母乳権」
24. 「母乳権」と子どもたちの問題
25. 「母乳権」と「成母期」
26. 「母乳育児」は女性への思いのメタファー?
27. 「母乳育児」のおおまかな二つの流れ
<2018年>
28. 「人一倍授乳に熱心な人」が繰り返し出現する
<2019年>
29. 「富士登山は完全母乳育児」
<2025年>
30. 新生児の適切な栄養方法の話なのに