「お肌の曲がり角」よりも「デンタルケア」

私は半世紀ちょっと生きてきて、今のところ幸いなことに大きな病気にはかからずに済んでいます。


20代、30代というのは受診することもなく、医療費とは無縁の生活でした。
毎月結構な額が天引きされる健康保険料を見ては、もったいなく感じていました。年金制度と同じく、世の中で支え合っていることといつか私自身が病気と向き合う時にとても助かる制度であることは理解してはいたのですが。


40代も終わる頃から、私も受診の機会が増えました。
両親の入院やら施設への入所やらが一気に重なった時に、一時的に血圧が上がり、しばらく内科受診をしました。


その次は歯の治療です。
あ、それと花粉症ですね。


若い時には「自分は医療のお世話にならなくてもやっていける」と思いやすいものですし、あちこちの科を受診している高齢者を揶揄したりしがちですが、あれもまた若さゆえの自信に過ぎなかったのだろうと思い返しています。


<歯ではなく歯ぐきが大事>


20代、30代は歯科受診とも無縁だったのが、40代終わり頃から歯科のお世話になる機会が増えたことはこちらに書きました。


歯磨きとデンタルフロスを使い、私自身はとしては人一倍、口腔ケアをしているつもりでした。


ところが、20代の頃に治療した部分の金属がとれたことがきっかけで、半年ぐらいの通院治療になりました。
年をとると歯科受診も長期間になるものです。


ちなみに、金属がとれた原因はおもちです。
それ以来、私はおもちやガム、あるいはキャラメルのように粘着力のあるものを食べるのをやめました。


その治療が終わって半年ぐらい過ぎてから、もう一カ所気になる場所を治療してもらいました。
これも半年がかりでした。
まだすぐに治療が必要なレベルではなかったのですが、周囲の歯や歯ぐきといった土台がしっかりしているうちの方が、これから平均寿命程度生きるためには良いだろうという判断です。


これもまた半年ほどかかりました。


それまでは「歯を磨く」ことだけしか意識していなかったのですが、歯ぐきのブラッシングと定期受診の必要性を痛感しました。


それからは、定期受診のたびに「よくブラッシングできています」「中学生ぐらいの歯ぐきです」と褒められていました。


ところがちょっと油断したのか、定期受診が遅れたところ、まさかの歯ぐきからの出血です。
今までは何ともなかったのに、歯周病が進んでいる場所があることがわかり、また4ヶ月ほどの通院治療になりました。


定期受診での歯石除去とブラッシングは大事だなあと、痛感。


日本家族計画協会の「女性と歯周病」には更年期についても書かれています。

更年期を迎えると、女性ホルモンが減ることから骨密度が低くなり、骨粗鬆症になりやすくなるのはよく知られていますが、歯を支えている顎の骨も弱くなります。歯茎がやせてしまうことや、口が乾きやすくなったりすることも歯周病のもと。


妊娠中にデンタルケアを勧められるのもこの歯周病予防のためですが、女性のその後の長い人生を考えた時に、デンタルケアを良い習慣にする大事な機会になりますね。


何かと女性は「老い」を意識させられる言葉に囲まれているのですが、「お肌の曲がり角」よりも「筋肉の曲がり角」とともに、デンタルケアもつけ加えたいものです。



「むし歯がないから」と思っている方も、一度、歯ぐきのチェックを受けに行かれると良いかもしれません。