先日、「正しい寝かせ方で姿勢のきれいな赤ちゃんに」の記事にアロマさんが、ご自身の体験をこのコメントあたりから書いてくださいました。
アロマさん、ありがとうございます。
抱っこしないとぐずったりギャン泣きの赤ちゃんもいるのだと思います。
周囲の家族を疲弊・困憊させるほどに。
たまたま「まんまる育児」をしたら、泣かないでくれるようになったことも事実なのだろうと思います。
そして、また、その方法も合わない赤ちゃんもいるだろうなと。
今回アロマさんからいただいたコメントを繰り返し考えているうちに、以前からこの「赤ちゃんは子宮と同じまるまった姿勢がよい」と広がっている数々の方法や考え方に、私が漠然と感じていた不安というか疑問がみえてきました。
あのおひなまきに対して危惧しているのは、効果が実証されていないことに対して効果を謳い、お母さん達に何かを購入させるという方法に助産師が積極的に関与していることがあります。
そしてもうひとつ、あのようにぐるぐる巻きにすることは身体拘束とどう違うのだろうという点です。
<乳児とぐるぐる巻きで検索すると>
昨年、痛ましいニュースがありました。
2015年10月15日付けで、「乳児を毛布でぐるぐる巻き 元施設長再逮捕、容疑を否認」という記事があります。
県警によると、木村容疑者は2013年4月2日、宇都宮市の「託児室といず」で預かった1歳2ヶ月の女児と8ヶ月の男児を毛布でくるみ、そのうえからひもで縛って動けなくするなどの暴行を加えた疑いがある。
このニュースを聞いて思い浮かんだのが、マトリョーシカ人形のようにぐるぐる巻きにされたモンゴルの赤ちゃんの話とエジコです。
エジコ(嬰児籠)はかつての農村で、乳幼児を収納するために用いられた容器である。
(中略)
農作業などで家を長時間離れなければならない時、屋内または作業場近くに乳幼児を安全に据え置くための道具として使われていた。乳幼児がお漏らしをしても後始末が楽なよう、エジコの底には灰・藁・籾殻・海藻・木炭などを敷き詰め、その上におしめややわらかくした藁・イグサでできたシッツキなどを敷いて乳幼児を収める。さらに、エジコから抜け出さないよう布団や布切れなどで包み固定していた。
乳児の行動を制限するようなくるみ方や容器がある時代までは社会で必要なものとされ、ある時代からは「暴行」と認識されていく。
その境界は、社会の何によって決まるのでしょうか。
ちょっとそんなことを考えさせられるニュースでした。
ぐずり続ける赤ちゃんが授乳クッションやおひなまきの固定で落ち着いた御体験をもつ方々には、少々読むのがつらい話だと思いますが、「身体拘束」という視点でもう少し続きます。
「境界線のあれこれ まとめ」はこちら。