記録のあれこれ 9 <「公園のつぶやき」>

なんだか呪文でもでてきそうなタイトルですが、都立公園協会のホームページに各公園のtwitterがあります。そのタイトルです。
タチツボスミレの閉鎖果の写真も、ここから見つけました。


公園に関心が出て、散歩をするようになった時にこの「公園のつぶやき」を知りました。
各都立公園の開花情報だけでなく、鳥や虫、その他のさまざまな変化も伝わって来て、楽しみに見ています。


40代になった頃から、道ばたの草花に目がいくようになりました。
初めて見る花や、名前も生活史も何も知らない植物ばかりであることに、大げさでなくちょっと愕然としたのでした。
季節の植物や野山の草花の本が増えました。
ところが、こちらの記事に書いたように、「この花の名前はなんだろう」と調べても、写真だけでたどり着くのが難しいことがけっこうあります。


毎年、あの道ばたで見る花なのに、名前さえわからない。
そんなもどかしさが募るばかりです。


ところが、この「公園のつぶやき」は本当にすごいですね。
毎日、あちこちの公園からの「○○が咲きました」といったメッセージに、「ああ、これこれ。この植物の名前を知りたかったのだ」と次々と、積年の難問が解けいくようです。
まあ、名前を覚える能力はまた別なので、すぐに忘れてしまうのですが。


なんでしょうか、写真の撮り方が植物図鑑などとはちょっと違うのかな。
写真を見ただけで、「ああ、これが探していた花だ」とすぐに判るのです。
近くから特徴をとらえるように接写された写真だけでなく、遠目に植物全体がぼんやりとらえられているものでも、「ああ、その植物の名前を知りたかった」と思うものがたくさん見つかります。


写真の技術も何かあるのかもしれませんが、リアルタイムに気になる植物がつぶやかれるので、「それだ!」ということになるのでしょうか。
あるいは、「この花のことを知りたい」という視点にたったものだからでしょうか。



「公園のつぶやき」をさかのぼって1年前を見てみると、昨年はどんな状況だったかの大事な記録としても活用できます。
「花がいつ咲いたか」でさえ、「××だったはず」という認知バイアスに陥っていることがしばしばありますからね。
「○○が咲きました」と、毎年、同じ花の同じような写真を載せても、それもまた定点観測として意味があることでしょう。



また、専門家の方々の知識や経験を、こういう形で直接知ることができるので、読むだけでもまた知りたいと思う世界が広がっていきます。
楽しいですね。
この「公園のつぶやき」は、正確に事実を記録している貴重な資料だと思いました。




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