観察する 62 「シャンシャンのおとしもの」

出生後から身体測定の様子が公開されていたシャンシャンも、先月2歳になりました。

6月12日は待ち時間150分以上という混みようだったようですが、先日行ってみたら、雨になりそうな天候のせいか「待ち時間30分」の表示でした。さらにどんどんと列は進み、結局、私の中では最短の十数分という早さでパンダ舎の前に行くことができました。

まあ、びくりとも動かないお昼寝中でしたが。

 

東京ズーネットの2019年7月3日のニュース、「6月12日に『シャンシャン2歳の誕生日』を開催しました」の中に、「シャンシャンのおとしもの」(うんちの観察記録)が公開されていました。

 

2019年6月12日、シャンシャンは2歳になりました。元気に育ったのは飼育係が毎日欠かさずシャンシャンとウンコの観察をしてきたから。

生まれてから1年ほどは母乳だけで育ちました。その時期のウンコは柔らかく、母親がなめとっていました。

2018年7月14日に、ほとんどタケでできたウンコが初めて観察されました。このウンコのおかげでシャンシャンがタケを食べ始めたことがわかりました。飼育係はウンコの重さを毎日量り、記録してきました。

ここでは、ウンコの様子からシャンシャンの成長を振り返ってみました。 

 

1歳近くになってようやくリンゴや竹をかじる様子があって、それ以降のウンコの観察記録です。

 

1歳2ヶ月 体重約32kg

このころのウンコ 平均 5.8cm  12.2g   一日の総量98g

タケの葉をよく食べていることがわかります。このころはまだ自力でウンコをするのに慣れておらず、ふんばって勢いで転がってしまうこともありました。

 

ウンコラム  パンダは食べたものの約80%が消化されずにそのまま排出されます。そのためパンダのウンコは竹の匂いがします。まさにウン竹(チク)。

 

 

1歳4ヶ月 体重約35kg 

このころのウンコ 平均 7.0cm   21.8g   一日の総量1018g

本日初めて総量が1kgを超す(10/24飼育日誌より抜粋)

シャンシャンのウンコはどんどん大きくなっていきます。よく見るとりんごの皮も残っています。

 

ウンコラム  パンダは食べてからわずか5〜15時間でウンコをします。(ヒトは半日~1日、ウマやウシは2~3日)。ウンコになるまでがとても早く、食べた順そのままに出てきます。

 

1歳6ヶ月 体重約38kg 

このころのウンコ  平均9.7cm   64.6g     一日の総量3650g

この日は朝からクマザサをよく食べていました。これはクマザサウンコかな。

 

ウンコラム  当たり前ですが、食べたものがウンコになります。上野動物園では、孟宗竹、真竹、矢竹、篠竹、隈笹の5種類を食べています。

 

1歳8ヶ月 体重約45kg 

このころのウンコ  平均10.5cm    80.9g    一日の総量8850g

形もしっかり健康なウンコ。このころは稈(タケの茎のような部分)のウンコがたくさん出ています。

 

ウンコラム  ウンコの表面は腸の粘膜でコーテイングされています。かたいタケでも腸の内側が傷つきません。

 

 1歳10ヶ月 体重約54kg

このころのウンコ  平均10.9cm   92.7g   一日の総量8200g

最初と比べるとウンコが大きくなってきました。ウンコをするのもお手の物。今では寝たり食べたりしながらウンコもできます。

 

ウンコラム  おとなのパンダのウンコは1日で約24.0kg(5月平均)、一個約200g。これから先、シャンシャンもウンコもまだまだ大きくなります。

 

すごいですね。1日に8kgのウンコでも驚きなのですが、おとなのパンダは24kgもウンコをするのですか。

しかも「今は寝たり食べたりしながらウンコもできます」は、ヒトの成長発達とは逆なのでおもしろいと思いました。

 

ほんと、観察と記録は大事ですね。

そこから生活史が少しずつ見え、飼育(ケア)のニーズが明確になるのは、人も同じだと思いながら読みました。

 

 

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