小金がまわる 17 タクシーと金銭感覚

母の暮らしている施設へ面会に行く時には、駅からタクシーを利用しています。

駅から10分ぐらいの距離ですが、往復で五千円以上かかります。

タクシーしか選択がないので、都内からその地域への交通費よりも、駅からわずか10分ほど乗ったほうがお金がかかることになります。

 

父がお世話になった施設も同じくらいの距離でしたが、路線バスが通っていたので数百円のバス代で済みましたし、その施設の送迎バスもありましたから、最期の不安定な時期に週に2〜3回通った時も、それほどの負担にはなりませんでした。

 

天気が良い時には、そのタクシー代を節約するために最寄りのバス停まで40分ほど歩いてみたり、そのバスも1時間に一本なので、結局1時間半ぐらいかけて駅まで歩くこともあります。

散歩には慣れているのですが、途中、歩道もなくほとんど人通りのない山道もあり、「ケチらずにタクシーにすればよかったか」と、毎回、葛藤しています。

 

8年ほど前に母に対して「運伝は禁止」「お金は負担するからタクシーを使って」と言っても、スーパーへの一往復だけでも数千円のタクシー代は高すぎるのでしょう、母は心臓手術を受けるために入院する直前まで運転していたようです。

事故を起こさなくてすんだことはほんとうに幸いだったと思うとともに、高齢者がなかなか運転をやめられない理由はそこにあることが、今、タクシー代を実際に払うようになって身に染みるようになりました。

 

特に最近、新幹線を使って遠出をするようになり、数千円あれば分水まで行けるとか、つい比較してしまいます。

 

電車やバスのように一度に乗客を乗せる公共交通機関と、個人だけを乗せて自由に時間や目的地を選択できるタクシーとの違いがあるので、タクシーにはタクシーの便利さもあるので単純に比較はできないのですが。

 

ただ、何度も母の施設と駅をタクシーで往復するようになって、車種や運転手さんの選択するルートによって、金額が千円ほど違うことがわかりました。

小型車に当たって、近道をしてくれる運転手さんだと片道数百円違うのです。

でも、なかなか小型車にうまく当たらないですね。

タクシーは高い上に、どんな料金になるかその時にならないとわからない不安定さがあります。

 

通院や面会あるいは買い物など、同じ場所への定額の往復チケットがあったらいいな、と最近思います。

 

あの八郎潟を訪ねた時も、大潟村の中心部まではコミュニテイバスがあって、タクシーなら五千円以上かかる距離を100円で行くことができました。

最近では、距離と速さを考えると、新幹線の方がむしろタクシーより安く感じるようになったり、私自身の金銭感覚がおかしくなっています。

 

人の足になる交通機関は、この30年ほどでいろいろと変化してきましたが、タクシーはこれからどんな変化をするのでしょうか。

 

 

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