散歩をする 147 天竜川の始まりを見に行く

 春に遠州から駿河へと歩いた時に、天浜線天竜川の鉄橋を渡りました。

その時に、水源を辿っていくと諏訪湖だったことに驚きました。多摩川とか荒川、利根川のように奥深い山々のどこかに湧いた小さな流れをイメージしていたのです。

 

ということは、あの大きな諏訪湖は平らではなくて天竜川が始まっている方向へ向かって少しずつ傾斜があって流れ出し、あの急峻な山々の間を流れていくのでしょうか。

この目で見て見たいと心が踊ったのですが、諏訪湖まではそれほど遠くはなくても、天竜川に沿って通っている飯田線豊橋まで94駅もあり、日帰りでは無理そうと思いながら散歩の計画ノートに書いておきました。

 

地図を何度も眺めているうちに、天竜峡で一旦降りて周辺をみて、そのあと特急に乗れば夜には豊橋に到着できそうなことがわかりました。

 

*中央線で岡谷まで*

岡谷までは中央線の各駅停車に乗ってみました。

早朝、6時台というのに高尾までは上り下りともに通勤客でいっぱいです。

いつもなら私も、この朝の民族大移動の中のひとりです。

 

高尾からは山の中を通り、特急ではあっという間に通過してしまう小さな支流の流れもよく見えました。そして懐かしいあの信玄堤のある竜王を過ぎ、富士川の源流である釜無川に沿って列車は長野へ向かうのですが、地図では釜無川のすぐそばを走っているように見える韮崎や穴山あたりでも、線路の方が川よりかなり高い位置を走っているので川は見えませんでした。

 

小渕沢を過ぎ、県境を越えてしばらくは富士川の支流と思われる流れでしたが、富士見駅を越えたあたりで川のない地域が続き、そしてすずらんの里駅の手前あたりから再び水量の豊富な川が現れ始めましたが、流れが諏訪湖へと向かっていました。

このあたりが分水嶺のようです。

 

山肌のあちこちから白いしぶきをあげて水が流れてくるのが見えます。

これが「暴れ川」と呼ばれた天竜川になっていくのかと、今まで諏訪湖へ流れる川のことを何も知らなかったのでした。

 

茅野駅のあたりから平地が見え始め、遠くに鏡のように諏訪湖の湖面が輝いて見え始めました。

諏訪湖に沿って弧を描きながら上諏訪、下諏訪と通過し、岡谷駅に到着。

 

駅から2〜3分も歩くと、天竜川が見えます。

川の始まりというイメージとはほど遠い、ゆったりとしたまるで下流の川のようです。

その先に、釜口水門が見えました。

諏訪湖には31の河川が流入するが、流出河川は天竜川のみである。

 

行く前にWikipediaを読んでも頭に入らなかったこの一文が、実際に訪ねて見て理解できました。

 

そしてやはり、天竜川に沿って少しずつ緩やかに下り坂になって、伊那の谷の方へと流れているようです。

 

 

 

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