妄想の旅の計画ができ始めた頃、日帰りならどこまで行けるか考えながら地図を眺めていました。
北上川をたどって行くと、北上駅の手前でふたつの川が合流しています。
新幹線の駅からも歩いて数分でその合流点を見に行けそうなので、散歩の最終目的地に決めました。
地図の上では山形との県境の方から流れてくる川の方が大きな川なので、それが北上川の本流だと思ったのですが、よくよく見るとそれが和賀川で、さらに花巻や盛岡方面から流れてくる細い水色の線の方が北上川でした。
岩手県南西部を流れる北上川の支流。全長 80km。奥羽山脈に属する和賀岳東麗に源を発し、真昼山山地東麓の川舟断層に沿って南流し、湯田町川尻で鬼ケ瀬川を合わせて東流し、黒沢じり付近で北上川に注ぐ。上流から中流にかけては豪雪地帯で、川沿いの国道107号はしばしば雪崩によって閉鎖される。
北上川に、全長80kmもある一級河川、しかも豪雪地帯に源流がある川が支流として合流するのですね。
半世紀前の北上川や和賀川の流域の生活は、どんな感じだったのでしょうか。
「真昼山」「川舟断層」「鬼ヶ瀬」といった地名や言葉にも魅かれます。
*北上市の北上川*
北上駅に着く直前に、この大きな和賀川の鉄橋を渡ります。そしてその向こうに北上川との合流した場所が見えるはずです。
右手の車窓に顔をつけるようにして、その時を待っていました。
和賀川にかかる鉄橋にさしかかりました。
あ〜あ残念。並走する新幹線の鉄橋で視界が遮られて、北上川との合流部分はほとんど見えませんでした。
気を取り直して北上駅に降り立ち、繁華街とは反対の東口へ向かいました。
駅を出ると、真正面に北上川の堤防が見えます。堤防からみえる北上川を想像しながら、天端に上がりました。
悠々と流れる美しい川でした。
あの三面川と似ています。
対岸には遊水地も兼ねているのでしょうか、広い公園が広がっています。
そしてこちら側の堤防の下にも、川のそばに木で作られたベンチがあちこちにありました。
散歩でここに立ち寄り、そして川面を眺める方たちがたくさんいるのでしょう。
ここもまた、この暑さの中で堤防の芝を刈り、点検作業をされている方々がいらっしゃいました。
地図を眺めて偶然見つけた北上川河川歴史公園から、ただただひたすら北上川の流れをたどる一日が終わりました。
そして、8年前から記憶の中に残り続けていた場所を訪ねることができました。
でも、これでもまだ北上川の半分の地点です。
いつか、もっと上流や支流を見てみたい。また散歩の計画が増えました。
帰りの新幹線は刻々と日が落ちて行くのを眺めていました。
東京に向かって右側の車窓、日本海側の方からずっと夕陽が入ってくることで、また方向感覚を失いそうになりました。
ほんと、日本は広いですね。
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