記録のあれこれ 48 台風で散歩をキャンセル

勤務中に台風の状況NHKのニュースで追っていたのですが、ここ2〜3年で歩いたり車窓から観ていた地名や川の名前が次々に聞こえてきて、これもまた仕事中なのに心がかき乱されそうになりました。

 

理不尽な人生の手も足も出ない見守るしかない状況の重荷のケアという言葉は、医療だけでなく、こうした災害時の居ても立っても居られない気持ちに煽られないようにするときにも大事かもしれませんね。

 

そして散歩をして実際にあちこちを見ていたことで、ニュースを見ながらどのあたりなのか、どういう地形なのかなど全容を理解するのに役立ちました。

以前は、こうした災害時の映像を繰り返し見ていると、全ての地域が水没したり被害を受けて「日本は終わり」のような絶望感に陥りそうになっていましたが、百聞は一見にしかずですね。

 

*次に計画していた場所に甚大な被害が起きた*

 

2週間ぐらい前に予約を入れて、今週訪れる予定だった地域でも被害が出ました。

 

今回の散歩は、ずっと前から行って見たいと思っていた茨城から福島の海岸線を周り、米沢で最上川上流を見て、翌日には安積疏水の水源である猪苗代湖を回ってから会津若松、そして新潟へ出てもどるという、自分でもなかなかの一筆書きの傑作だと思う計画で、手元にある乗車券を見てはその日を心待ちにしていました。

 

福島県の海岸部を走る常磐線は震災の影響でまだ富岡から浪江間が不通で、富岡から原ノ町駅までは代行バスになっています。今回はこの代行バスにも乗る予定でした。

 

東日本大震災が起きた当時、ニュースで「浜通り」「中通り」と耳にして、すごい大通りがあるのかと勘違いしたくらい、福島の地形には無知でした。

今年、郡山を訪ねて、間に山を挟んだ浜通り中通りの地形を実感しました。

それで、ぜひ浜通りも、そして会津も見てみようと決めたのでした。

 

浜通りのどこかで途中下車しようと地図を眺めていたら、干潟と干拓地がありそうな場所が目に入りました。

相馬市の松川浦で、あの河北潟のように、それぞれの干拓地の歴史を学ぶことができそうです。

地図を見ていると沿岸には松川浦以外にもいくつか干拓地らしき場所があり、列車で通過するだけでも楽しみです。

 

相馬駅で降りて路線バスで松川浦を周り、そのあと歴史資料館と中村城跡を訪ねる計画でした。

 

10月12日の夜10時ごろには、勤務先では雨風も収まっていました。

ここからは台風は勢力を弱めて温帯低気圧になり太平洋へ抜けるという予想に、東北での被害はほとんど考えていなくて、予定通り散歩を決行できると楽観してしまいました。

 

10月13日の朝方のニュースで阿武隈川周辺の氾濫に驚き、そしてテレビではあまり報道されていなかったのですが、列車の運行状況を確認しているときにこの相馬駅が閉鎖になっていることを知りました。

駅周辺が浸水した様子が動画になっていました。

 

10月14日の朝の時点でもまだ相馬駅は閉鎖していますし、相馬から仙台、そして仙台から米沢へ行くために利用する予定だった仙山線もまだ運休、2日目に郡山から会津若松、新潟へと利用する予定だった磐越西線も途中で運休しています。

 

14、15日で列車が運転再開したとしても、相馬駅周辺ではまだ訪れる人を迎える余裕はないだろうと判断して、今回の散歩は中止することにしました。

 

それでも、あれだけの台風なのに1日で安全を確認し復旧していく、各地の鉄道の底力を見るようです。

 

最近、路線図を穴があくほど眺めるようになったので、まだ行ったことがない街のことも人ごととは思えなくなっています。

落ち着いたら、必ず行ってみようと思います。

 

 

ということで、散歩のキャンセルの記録でした。

 

 

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