散歩をする  170 境川から大船へ

計画をしている段階で、境川遊水池を訪ねたあとはどうしようかとあれこれ候補がありました。

歩けば小田急江ノ島線の駅まで20分ぐらいのところですから、駅から駅の間を境川に沿って歩き、また小田急線に乗って久しぶりの江ノ島、鎌倉を回って帰るのも一つです。

 

でも小田急江ノ島線江ノ電、あるいは東海道本線は何度も乗っているので、何か違う風景をみてみたくなりました。

境川の近くにバス路線があるのを発見。なんと大船駅行きのバスがあるようです。

これに乗れば、今まで車窓から見ていた沿岸部の小さな山々の内側を通って見ることができそうです。

 

*ドリームハイツバス停留所

 

バス停の名前は「ドリームハイツ」でした。

地図上では遊水池から直線距離300mほどの所にこのバス停がありますが、これまでの散歩の経験から、きっとひと山登った所にあるに違いありません。

そこに至るまで、つづら折りを想定させる道が描かれているとおりの場所でした。

 

遊水池を見渡せるような小高い場所に出ると、低地とは違う涼しい風に感じました。

そこからバス停は近道をすれば100mほどなのですが、どうやら元々は畑だったところに住宅地が点在していて、近道をするには人様の畑を横切ることになるので、またぐるりと遠回りをしてバス停に辿りつきました。

 

小高い山の上には広大な県立団地があって、バスが頻繁に通っています。

 

多摩ニュータウンなどと同じ1960年代から70年代くらいの開発かと思ったら、横浜ドリームランドという遊園地の跡地を住宅地として2000年代から開発されたようです。

 

まだ次のバスまで時間があったので、歩いて見ました。

広い公園もあり、ちょうど幼稚園の送迎の時間か小さなお子さんを連れた方々も結構歩いていました。

団地内の付近には小児科や歯科もありますし、スーパーやちょっとしたレストランもいくつかあるようです。

こうした小さな生活圏内でさまざまな年代の人が生活が完結できる、ニュータウン時代にできた街が低迷しているニュースが多い中で、これくらいの規模が案外安定した街なのかもしれないと思えました。

 

しばらく歩くと少し急な下り坂になり、横浜薬科大学がありました。Wikipediaの「横浜ドリームランド」に紹介されている大きなビルが見えました。

ホテルだった建物を大学の図書館として活用されていたのですね。

 

薬科大学前からバスに乗りました。

 

*アップダウンの激しい道を大船へ*

 

行く前に、Macの地図の航空写真でどんな地形なのか想像をしてから散歩をしているのですが、残念ながら、この地域の航空写真はところどころ雲がかかってしまってわかりませんでした。

 

そこから大船までの途中には細い川が3本ほどあります。

川が作り出した地形にどんな高低差があるのか楽しみにしていたのですが、小田急江ノ島線湘南台駅から境川遊水池、そして遊水池からドリームハイツまでの高低差だけでも想像以上でした。

横浜薬科大前からけっこうな下り坂を降りると、1本目の小さな川を渡り、そしてまた上り坂です。そこを越えると境川の支流の川を渡り、環状4号線に入るのですが、ここも見上げるような上り坂です。

もう自分がどこを走っているのかもわからなくなるほど、アップダウンがあり、ようやく平坦な場所に出ました。

 

地名は「田谷」とあり、名前の通り、水田が広がっています。

そこからまた少し登ったり下ったりすると、柏尾川に沿って走り大船駅に出ました。

 

東海道本線大船駅を通過する時には、ちょっと小高い場所に大船観音が見える風景が好きなのですが、まさかその反対側にこんな地形が広がっているとは思いもよりませんでした。

 

訪ねたのは9月下旬で稲穂が輝いている季節でしたから、「田谷」の水田地帯の真ん中に新しい道路建設のための橋脚が造られているのを見て、とても悲しく感じました。

ところがその2週間後、今までにない規模の台風が通過し、各地の浸水被害の映像を見ると、こうした低湿地に高架橋をつくることも防災の一つかもしれないと気持ちが変化したのでした。

 

 

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