水のあれこれ 116 水との闘いの用語

台風19号関連のニュースを聞いていると、水との闘いを表す用語はこんなにもあるのかと、今更ながらに驚いています。

 

小学生のころには「洪水」という言葉でひとくくりにして覚えた状況も、毎年毎年ニュースを聞くたびに、「氾濫」「越水」「溢水」「冠水」と、大人になるにつれて語彙が増えてきました。

そして洪水は夏だけでなく、4~5月ごろに起こる融雪洪水という用語を知ったのはここ数年のことでした。

 

今回の台風で被害が伝えられる地域は実際に歩いたり車窓から眺めていた場所と重なるので、今年はなおさらその用語が何を意味しているのかより正確なことが気になりながらニュースを追っています。

「洪水」と一言では言い表せない、それぞれの地域の被害状況でした。

 

とりわけ、つい最近乗った北陸新幹線と、最近歩いた郡山市内福島交通のバスが水に浸かってしまっている状況は、私が今まで知っている「浸水」という言葉だけでは表現できない状況に感じました。

 

気象庁の「河川、洪水、大雨浸水、地面現象に関する用語」の中の「洪水、大雨浸水に関する用語」を読んでみました。

 「出水」:大雨や融雪などにより川の水量が増大すること

「増水」:平常の推移よりも水かさが増すこと

「溢水」:河川の水があふれ出ること

「越水」:河川の水が堤防を越えてあふれ出ること

「浸水」:ものが水にひたったり、水が入りこむこと

「冠水」:農地や作物、道路が水をかぶること

「決壊」:河川の増水により、堤防が壊れること

「氾濫」:河川の水がいっぱいになってあふれ出ること」

「外水氾濫」:河川の水位が上昇し、堤防を越えたり破堤するなどして堤防から水があふれ出ること

内水氾濫」:河川の推移の上昇や流域ないの多量の降雨など(要因によって湛水型とか氾濫型等の表現も用いる)により、河川外の住宅地などの排水が困難となり浸水すること

 

今回の広範囲の地域での水害のニュースが次々と伝えられ始めた時には、すべて、「川のそばの地域で堤防が決壊した」ように想像してしまったのですが、数時間もしないうちにまたそれぞれの原因が伝えられ始めたことが印象に残りました。

ある地域では堤防の決壊、ある地域では堤防を越えて水が溢れ、あるいはある地域では排水ができずに内水氾濫を起こしたことなど、状況と原因はさまざまなことがわかりました。

 

短時間で状況を把握し、原因と対策が検討されていく。

常に水の動きを観察しているからに他ならないと、圧倒されました。

 

そして、まだまだ水との闘いには、言葉では表現できないことや「こんなことが起こるのか」ということの闘いでもあるのかもしれませんね。

 

 

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