水のあれこれ 118 夏井川の氾濫

日頃、川といえば多摩川、荒川あるいは江戸川といった川を見ているので、私にとって「大きな川」というのはそのレベルの河川をイメージしています。

 

北茨城沿岸部の大きな河川が少ない地域をすぎて、福島に入るとまず鮫川があります。

その鮫川が創り出したと思われる小さな平野部をすぎると、また山のような場所に入り、そして次に開けた風景が見え始めると、遠くに大きな漁港が見えました。

ああ、あれが小名浜港だとすぐにわかりました。

その小名浜港に注ぐのが藤原川で、地図ではけっこう大きな河口に見えます。ところが沿岸部から3kmほど内陸部を走る常磐線はいくつかのその小さな支流を越えるだけなので、その先にそれほどの河口があることも想像できません。

 

藤原川のある平野部を過ぎると、少し列車は高度を上げていわき市の中心部に入ったように見えました。

海からも遠いので小高い場所なのかと航空写真で確認すると、どちらかというと平野部に見えます。

いわき駅の歴史では、元は「平駅」だったそうです。

もしかしたら「台地」のような地形なのかなと想像しているのですが、列車であっという間に過ぎただけなので、いつか歩いてみたいものです。

 

*夏井川*

 

いわき駅を出ると、もう一本、比較的大きな川を越えますが、それが夏井川です。

 

暇があると地図を眺め、「ただひたすら川と海を見にいく」時には川の名前を書き出していくのですが、記憶できる川の数は限られています。

一旦キャンセルした散歩が実現した喜びのあと、数日もしないうちに心のうずきとともにその名前をニュースで耳にすることになりました。

 

夏井川"堤防決壊や浸水は起きていない"   福島 いわき 

(2019年10月26日   NHK NEWS WEB)

 

福島県いわき市を流れる夏井川の堤防は2週間前の台風19号の影響で複数のか所で決壊し、応急的な復旧が続けられているところに25日夜、大雨が降り、小川町関場では積み上げられた土のうの上から一時、水があふれました。

土のうの背後では、横20メートルほどの水たまりができていますが、近くに住む人によりますと、26日朝の時点で25日夜よりも水は引いているということです。

2段から4段積まれている土のうも崩れたり流されている様子はありません。市が土のうを積みなおすなどしたため、新たな堤防の決壊や大規模な浸水は起きていないということです。

現場では午前7時すぎから業者が訪れ、土のうを新たに積み上げて応急的な復旧作業を進めていました。川を管理する県によりますと、夏井川の堤防の仮復旧はこれまでの予定どおり、今月29日に完了する見通しだということです。

 

夏井川のどのあたりなのだろうと地図をみると、常磐線が通過しているところよりも上流で、磐越東線沿いの地域のようです。

磐越東線小川郷駅があって、そのあたり一体は夏井川の本流と支流が合流していて、その一帯が「小川町」のようです。

 

いわきと郡山を結ぶ磐越東線JR東日本の「東北エリアの運行情報」でも、ずっと運転見合わせが続いている路線の一つです。

ようやく、「郡山ー小野新町は11月6日」「小野新町ーいわき間は11月中旬」に復旧の見通しが表示されました。

 

夏井川の「災害」は、今年の被害が書かれていました。

*2019年10月12・13日ー台風第19号による豪雨により水位が上昇。いわき市小川町関場などで堤防が決壊して氾濫が生じた。

*2019年10月25日ー集中豪雨により水位が上昇。同月に台風第19号の災害で決壊し、応急復旧工事が行われていた箇所が再度決壊して氾濫。いわき市は災害発生情報(警戒レベル5)を発令した。

 

今まではあまり災害の記録もない、穏やかな河川だったのでしょうか。

この「小川町」や「小川郷」と言った地名の由来や、地域の歴史をもう少し知りたくなりました。

 

 

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