水のあれこれ 119 川の大きさとは何か

今さらながらですが、川が大きいか小さいかに関係なく災害は起こるのだと知った、この台風19号以降のあちこちの中小河川での水害のニュースでした。

 

そういえば「川の大きさ」というのはなんだろう、と小学生の宿題のような疑問が出てきました。

 

ググっただけで、「川の大きさはどのように比較するのですか?」(株式会社建設技術研究所)というわかりやすい説明がすぐに見つかりました。

学校で使っている地図帳を開いて日本を見てみると、ところどころに水色の 線で書かれた川を発見することができます。地図帳よりも縮尺が大きい20万分の1の地勢図にはもっと多くの川が描かれており、5万分の1や2万5,000分の1の地形図では、数え切れないほどの川があります。このように地図は縮尺によってその中に描くことのできる川の数が変わってきます。これら日本の地勢図や地形図を製作・発行している国土地理院では、「川幅」を基準とし、たとえば2万5,000分の1の地形図の場合には、普段の水の流れの幅が1.5m以上のものを示すのが原則となっています。

 

そうなのですね。地図に描かれるのは「普段の水の流れの幅」が基準になっているのですね。

簡単そうに書かれている一言ですが、測量の年表 を思い返すと気が遠くなりそうです。

 

ところで、「地勢図」「地形図」の違いってなんだったけと、また表層的な知識でわかった気分になっていないかとヒヤリとしています。

 

冒頭で紹介した文章は、そういう基礎から学んでいない私のような人をも対象にしているのでしょう。「わかりやすく、かつ正確に」川の大きさについての説明が続きます。

 確かに、川を目の前にした時、「大きな川だなあ」と感じるのは、対岸までの距離、つまり川幅が広い場合が多いのですが、川の大きさを表すのは川幅だけではありません。そもそも川というのは、地上に降った雨や雪を集めて海などに流す天然の水路ですから、その水を集める地域(流域)や川の長さ(流路延長)が大きいほど、集まって流れる水の量(流量)が多くなりますので、川幅も広くなると考えることができます。

 このうち川の長さは、同じような広さの流域であっても、流域の形が細長くスマートであれば長くなり、丸い形や扇のような形をしている時には短くなることがあります。川幅も、渓谷であったり、平野や盆地であったり、河口近くであったり、その流れている場所の地形によって、広くなったり、狭くなったり変化しますし、大きさの感じ方も異なってきます。なお、流れている水の量の多さからも、川の大きさを実感することができますが、雨や雪の降りかたなどによっても大きな差があります。こうして見ていきますと、川の大きさを比較するのに最も適当なものさしは「流域面積」(流域の広さを示し、通常は㎢の単位で表す)といって良さそうです。

 

*流域面積*

 

国土交通省の「河川用語集〜川のことば〜」では、流域面積について以下のように説明されていました。

降った雨や溶けた雪は地表を流れて川に流れ込みます。雨や雪が流れ込む範囲をその川の流域といいます。集水域(しゅうすいいき)と呼ばれることもあります。

 

これまた簡単に理解できそうですが、実際に川沿いに山間部を列車で通過すると、複雑な地形の山肌のあちこちから水が流れ落ちているのをみるだけでも、「流域」を把握することは大変そうだと思います。

「流域面積」というのは、実際に地道に山を歩いて把握していくのでしょうか。

 

ちなみに、日本の流域面積の大きさのトップ10は、「利根川」「石狩川」「信濃川」「北上川」「木曽川」「十勝川」「淀川」「阿賀野川」「最上川」「手塩川」の順だそうです。

 

これを見ただけで、また散歩の計画ノートにあちこち書き込まれていきそうですね。

日本中のすべての流域を歩き尽くしてみたい。

絶対に無理な話ですが、大きな夢を持つことはかまわないですからね。

 

 

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