食べるということ 45 駅そば

「孤独のグルメ Season8」が始まって、またまた食欲が出ているこの頃。

五郎さんの目の前の食べ物に気持ちを集中した美味しそうな食べ方と、番組の終わりで原作者の久住さんの色々な水(お酒)を飲みながら美味しそうに、そして気取らずに食べている姿もほっとします。

 

初めて「孤独のグルメ」に気づいたのは2014年でした。

当時はまだそれほどあちこちを散歩していたわけではなかったので、美味しそうな料理と五郎さんの食べっぷりしか目に入っていなかったのですが、最近、番組の最初の方の街の描きかたもいいなと思えるようになりました。

なんだろう、まるでふらりとそこを歩いたような気持ちになります。

いろいろな街のそれぞれの空気の違いが、ふと感じられるような。

そこで料理を作り、あるいはそこで食べている人たちの生活が伝わって来るような感じです。

 

あ、今日のテーマは駅そばでした。

私が「孤独のグルメ」をみ始めた頃は、父が二度目の脳梗塞で入院そして施設の転院と続き、しばらくは週に1〜2回行ったり来たりして心身ともに疲れていた時でした。

食欲のない時に駅そばだけは美味しく食べられて、同じ頃に「孤独のグルメ」を観たことで美味しく食べることを意識し始めた感じです。

 

それまでは駅そばとは無縁の生活で、その理由を考えると「女性が立ち食いなんて(みっともない)」という自分自身でつくりだした制約に縛られていただけだったと、深く深く後悔しています。

 

父が亡くなってからは母の面会だけになり、その母の面会にはお昼ご飯を持っていくので、あの駅そばからは遠ざかってしまいました。

先日、駅の近くでお店の方にばったりと会い、「お久しぶりですね」と声をかけられました。

ああ、やっぱり「常連」になっていたようです。

「いつも食べたいと思っているのですが、最近は時間帯が合わなくてごめんなさい」と伝えると、「いいんですよ。またいつでも来てくださいね」と。

 

たしか、父の面会で通っていること、疲れた時に食べていつも元気が出ることを話したことがあり、覚えていてくださったのかもしれません。

 

その後、あちこちを散歩するようになって、駅そばの前を通るたびにどんな味かな、どんな人が作ってくれて、食べに来る人は何をしているのかなと気になっています。

 

さて、今回の散歩では「仙台駅の駅そばを食べる」という強い決意がありました。

8月に仙台駅から柳津へ行く時に、8時ごろに仙台駅に到着した時には家を出る前の早朝に朝食を食べたのですでにお腹が空いていました。駅構内の駅そばがとても美味しそうだったのを横目に、時間がなくて通り過ぎたのでした。

 

今回は仙台駅に午後3時頃に着き、仙山線に乗るまで小一時間あります。

このために午前中から軽くおにぎりだけにしていたので、仙台駅に到着した時にはお腹がすきすぎていました。心の中で五郎さんのテーマソングとともに駅そばへ向かったのでした。

かき揚げそば、出汁がきいた薄味で本当に美味しかったです。

 

 

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