散歩をする 199 歩きまわりたくなる街・渋谷

10代から20代にかけて、最も身近だった街が渋谷でした。1970年代から80年代にかけて、DCブランドの服を探したり美容室に行ったり、あるいはワインの専門店に行ったり、ちょっと背伸びしたいと思わせる街でした。

その後、急に「若者の街」になり騒がしくなったので、足が遠のいていました。

 

ここ3~4年、また渋谷をよく歩くようになりました。

地形を気にしながら、今まで歩いたこともない路地を歩いています。

街路樹がおしゃれな道玄坂渋谷川河岸段丘で、登りつめると今度は目黒川の河岸段丘で池尻方面へと下り坂になっています。

パルコがある宇田川町は、その名の通り代々木公園方面から宇田川に沿って街ができ、蛇行した道が多いこと。

そして大きな道路である井の頭通りが、代々木公園の近くから細い道になって、渋谷西武のA館とB館の間のあの蛇行した道になっていること。

斜面のような場所に突如として、湧き水のある公園があったり。

60年代から70年代の、地形をそのまま使いながら街が広がっていったようすを今はだいぶ想像できるようになりました。

 

当時、スペイン坂とか道玄坂ぐらいしか知らなかったのに、今は全ての坂道を歩き尽くしてみたいという気持ちになっています。

 

メインストリートから路地へと入ると、80年代にあった店がそのまま残っているかのように活気があります。

すれ違うのもぎりぎりの狭い坂道を、たくさんの人が歩いています。

 

狭い坂道の先に何があるのか、ついつい歩きまわりたくなるのかもしれませんね。

歩きたいと思わせる坂道だから、小さなお店が残り続けていく。

坂道を大事にした街の方が、長期的にみると良いのではないかと思えてきましたがどうなのでしょう。

 

首都高を地下に走らせ、高いビルは少なくして渋谷の地形がわかるような風景にすると、個性的な街の姿になるような気がするのですけれど。

あ、一世紀後ぐらい先の話ですが。

 

 

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