発達する 28「春はお花がいっぱい咲くから好き」

外出自粛で一日中家にこもる日が多くなりました。

ずっと人と会わないとか家の中にいることも比較的平気ですが、3月なかばからは陸にあがった河童状態なのは悲しいですね。早く泳ぎたいなあ。

プールが長期休場の時には散歩をしていたのに、人口が多い地域だと、平日の日中とは思えない人が歩いているので、今回はそれもためらわれます。

 

でも緊急事態宣言の中でも散歩は規制されないことが明確になっていたので、散歩は防災対策として大事だし災害時にも贅沢なことではない、と勝手に認識しました。

 

ということで、近所をふらり。

30年近く、この区域に住んでいるのに案外知らない場所もあります。

30年ほど変わらない風景もあれば、10年ぐらい前は、風が吹くとさわさわと音が聞こえていた川のそばの竹やぶが住宅地になっていたり、新たに公園が整備されていて、知らない場所に迷い込んだような気分になったり、新たな発見もありました。

 

スミレの咲く秘密の公園は、数日ほどで新緑に変わりはじめていました。

 

ぼっと下を向いて草花を眺めながら歩いていると、「春はお花がいっぱい咲くから好き」という声が聞こえました。

 

声の主は小さなお嬢さんで、一緒に散歩している祖父らしい男性に向かって喋っていました。

 

「(ほんとうに、私も好き!)」と思いながら、ふと気づきました。

お嬢さんはまだ人生の中で3回ぐらいしか春を経験されていないのではないか、と。

そのうち1回は乳児だったでしょうし。

きっと周囲の大人の会話から、そういう言葉を習得したのだろうなと思います。

 

でも、子どもはいつ頃から「春」をどのように認識するのでしょうか。

 

今こんな状況でいつにも増して植物に慰められる毎日ですが、この小さなお嬢さんの声が天使のささやきに聞こえました。

 

 

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