水のあれこれ 134 湖と鉄道

2018年に岡山を散歩して以来、「次はどこへ遠出しよう」と地図を眺めてばかりいるのですが、早い時期から琵琶湖は何度も眺めていました。それはぐるりと鉄道が一周していることに目がいったからです。

なんて魅力的!と検索すると、まず見つかるのが初乗り乗車券で一周する「大回り乗車」です。ただ、これだと途中下車できないので、琵琶湖の計画は漠然としたまま日がすぎていました。

 

*琵琶湖と宍道湖

 

子どもの頃から身近な湖というと芦ノ湖富士五湖で、一部、鉄道やロープウェイはあるものの、湖とは自動車で訪ねるものだと思っていました。

あちこち遠出をするようになったこの2年ほどですが、諏訪湖猪苗代湖、そして霞ヶ浦や北浦も鉄道が通っているのは一部区間だけです。

 

Macの地球儀から湖を探して地図に戻して見ても、湖の周囲をぐるりと鉄道が通っているのは琵琶湖と宍道湖ぐらいです。

その二つの湖を、昨年から今年にかけて制覇した(!)と思うとちょっとうれしくなっています。大げさですけれどね。

 

*湖の周囲に鉄道をつくること*

 

湖を見ると「静かな湖畔の・・・」と歌を思い出すほど、静かで安定した水辺だと思っていました。あちこちの湖の周囲をドライブをしても、多少、地形が入り組んだり船でしか渡れないような場所があるにしても、周囲は平面で、道路や鉄道をつくるのは容易そうに見えます。

 

ところが、昨年訪ねた諏訪湖の水害と釜口水門の歴史を知り、その2ヶ月後には台風19号芦ノ湖湖畔に浸水被害が起こり、そして琵琶湖も水位が2mぐらい上がる水害があったことなど湖の水害を知りました。

「湖とは大きな水たまり」ぐらいに思っていたのは間違いでした。

 

今年、初めて琵琶湖を鉄道で一周しながら、湖畔ぎりぎりのところに線路が敷かれているところもあれば、かなり離れたり高い位置に造られていました。ここに鉄道を敷くのはどのように決断されたのだろうと思いながら、車窓からの風景を眺めていました。

災害の歴史、地形や地層の知識、気象の知識など、「安全に鉄道を運行する」という目的を実現することがどれだけすごいことなのか、ぐるりと湖を鉄道で一周しながら圧倒されたのでした。

 

 

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