散歩をする 224 上北沢から明大前までの玉川上水

4月は自宅にこもり、5月には体力を戻すために少しずつ散歩を再開しました。といってもまだ都内の近いところで、人のいないところをひっそりと歩く計画です。

せっかくなので玉川上水でまだ歩いたことがない区間や、それ以外の都内の小さな川をまわってみようと思いました。

ふだんなら休日も何かと気ぜわしいのですが、家にこもっていると時間に余裕ができました。

 

京王線上北沢駅あたりから明大前まで、甲州街道沿いに玉川上水第二公園、第三公演として以前の玉川上水の姿が少し残された箇所があります。現在は、もう少し西側の富士見ヶ丘あたりで玉川上水は暗渠になり、水はこの玉川上水の跡ではなく高井戸駅の近くで神田川に合流しています。

 

以前、世田谷に住んでいた頃はこの辺りも自転車で通っていたことがあるのですが、玉川上水の本来の流れであるにもかかわらず、あまり気に留めていませんでした。

水が流れていなかったからでしょうか。

 

この辺りでは玉川上水に沿って、7つのお寺がまとまって建っています。甲州街道と上は中央高速が通っている場所にもかかわらず、ここだけ緑が多くて静寂を感じる場所でした。

 

このあたりを歩いてみようと、思いつきました。

 

神田川荒玉水道が交差するあたりに、「下高井戸おおぞら公園」という大きな新しい公園ができていました。広々とした防災用の公園のようで、近くでは神田川の地下調整池の工事中でした。

この辺りは神田川と昔の玉川上水が並行してある場所で、玉川上水の方が高い位置で流れています。少し上り坂を歩いていくと、玉川上水第三公園にでました。

地図で見ると、神田川玉川上水公園の間に道が並行して描かれていますが、歩いてみると、おそらくそこは昔水路だったのだろうと思われる暗渠のようでした。玉川上水から水を引いて利用していたのでしょうか。

 

玉川上水第二公園は確か、堤防のように高くなっていてその高い場所に遊歩道があったのですが、こちらの第三公演は昔の水路をそのまま利用しているようで、階段で下に降りていくとそこに遊歩道がありました。上を中央高速が通っているのに、遊歩道の両側には鬱蒼と木が茂って、なんだか別世界です。

 

しばらくいくと、そこからお寺が続きます。

それぞれのお寺の説明を写真にとったはずなのですが、またiPhoneから記録がなくなっていました。検索したら、杉並区のホームページの杉並区教育委員会のなかに「文化財案内表示板」がそのまま掲載されていて読むことができました。助かりました。

 

元々は江戸の中心部にあったお寺が、明治期そして大正に入り区画整理や1923年(大正12)の関東大震災で移転を余儀なくされたためだったようです。そして第二次世界大戦で消失し、再建されているようです。

 

一世紀前までは、この玉川上水神田川にはさまれた水にも恵まれた土地に、いくつもお寺が移転できるぐらいの余裕があったのですから、人気の無い場所だったのでしょうか。

住宅やビルが密集している現在からは、想像がつきませんね。

 

まっすぐ甲州街道を歩くと左手に明治大学の校舎があり、その間の斜めの道に入ると京王井の頭線の陸橋を渡ります。

電車に乗っていると気づかないのですが、歩いて見るとその陸橋には大きな古い水道管が通っていて、渡ったところに玉川上水公園があり、その先の和泉水圧調整所、和泉給水所へとつながっています。

おそらく現在は境浄水場から井の頭通りを通って給水されているので、この大きな水道管は使われていないと思うのですが、とても大事な遺産ですね。

 

 

わずかの距離でしたが、また少し地図が立体的に見えるようになりました。

 

それにしても、どうやってこの場所に玉川上水を造ろうと考えたのでしょう。

江戸中心部まで水を流す壮大な計画が実現したことが、歩くたびにすごいことだと思います。

 

 

 

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