直江津からは信越本線で、また新潟の海岸沿いをみることができそうです。
地図をたどっていると、姉崎あたりまで水色の部分がたくさんあります。
以前だったらまずは雨が少なく溜池を作っている地域を思い浮かべたと思います。最近では、雨が降る地域でも川の流れ方によってはいにしえより水に乏しい土地柄で溜池が造られていたことも知りました。
新潟はなぜ「潟」なのかについて考えると、「行き場のない水が容易に引かない土地」からきているのではないか。
その答えがここにもあるのではないかと、途中下車することにしました。
*潟町駅と蓮の池*
まず目が惹きつけられたのが、潟町駅でした。
駅の東側に池のような水色の部分が描かれています。
「ここを見たい」というたわいもない理由で、途中下車を決めました。
そばには大潟水と森公園があります。地名も「上越市大潟区」で、周囲には「新田」「古新田」といった地名がありますから、やはりここは「潟」に関係しているようです。
直江津を出発すると、じきに左手は防風林のような森だけの景色になりました。
航空写真で想像していた日本海の海が見える車窓の風景ではなく、自然堤防が続く地域のようです。
いよいよ、潟町に到着しました。
目の前の線路の向こうに、その「池」がありました。
一面、蓮の葉が広がっています。花はもう終わっているようで、ちょうど花托から果托へ変化する時期でしょうか。
今年は大好きな蓮を見にいくことができない残念な年でしたが、まさかここで見ることができるとは思いませんでした。
毎日この一面の蓮を定点観測できるなんて、通勤されている方々がうらやましいですね。
跨線橋を渡り、駅の反対側へ回ってこの池に近づきました。私有地に囲まれていたので離れて見ただけですが、家の前にこんな場所があるのもうらやましい限りです。
*県立大潟水と森公園*
この池のあたりは少し低い場所で、ここから上り坂を歩いて住宅街を抜けて北陸自動車道の歩道橋を渡ると、反対側には広い森が広がっています。
そこが県立大潟水と森公園です。
近づいてみて、すり鉢状に森が低くなっていることがわかりました。
やはり「潟」のようです。
日本海沿岸の砂丘後背地に発達した"潟”を舞台にし、"潟”の貴重な自然を残しつつ、自然を学ぶ場として、旧大潟町(現上越市)によって昭和61年に設立された丸山公園を母体として、平成12年に歴史ゾーンを皮切りに「大潟水と森公園」として開園しました。
(新潟県立 大潟水と森公園ホームページ「大潟水と森公園てこんなところ」)
広大な園内で、案内板を見ると「潟」のそばまで歩こうとすると列車に間に合わなさそうなので、西側の「自然観察園ゾーン」を歩くことにしました。
私以外、誰もいません。
管理されている森で、特に「クマに注意」とか「スズメバチに注意」といった警告も見かけなかったので、のんびりと森と湿地の気配を楽しみながら歩いていたところ、目の前にスズメバチの死骸がありました。
「わあ〜!蜂の対処法はなんだったけ?」「ここでアナフィラキシーショックになっても見つけてもらえなさそう」と、ちょっと焦って早足で園外に出ました。
ふう〜、やはり自然は過酷ですね。
早めに公園を出たので、少し時間が余りました。
誰もいない駅のホームに座って20分ほど、目の前の池をぼーっと眺めました。
静かな昼下がりの、贅沢な時間でした。
それにしても「潟」にはどんな場所があるのでしょう。
そして地図を見ると、日本海側には沿岸に潟だったり、池だったり、潟に近いような湾だったり、見てみたい場所がたくさんありますね。
またまた行きたい場所が増えてしまいました。
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