小金がまわる 25 金利の移り変わりを思い出す

昨年3月から、家賃を銀行で振り込む時に220円の手数料がかかるようになりました。

1年で2,640円ですから、結構な額になりますね。

振込手数料がかからないようにと銀行口座をその支店に移したのに、意味がなくなりましたね。

 

「小金がまわる」のまとめに、「20代の頃は何とかなると思うものですね」と書いたのですが、全く無鉄砲というわけでもなかったといろいろと思い出しました。

 

時々、ネットで話題になる「昔の預金金利の高さ」ですが、1980年代初めの頃には「預金の100分の1ぐらいは利子が入ってくる」という安心感も気を大きくしていたのだと思い返しています。

20代前半の私の普通預金でさえ、1年に1万ちょっとが口座に振り込まれるのですからね。

あの当時の金利なら、将来は少し小金持ちになって溜まっているであろう定期預金の利子と公的年金で十分に生きていけるだろうと計算していたのでした。

 

ところが、銀行の手数料は増えるのに、年間の利子はその手数料にも満たないような額で、まるで預金をしていることへのペナルティ料を課されている感じですね。

 

 

*「定期預金の金利の推移」より*

 

銀行の利子はいつ頃どれくらい変動したのか、検索してみたら「定期預金の金利」というサイトの「定期預金の金利の推移」がわかりやすそうだったので、読んでみました。

わかりやすそうだったのですが、読むとどうしても目が滑って頭に入ってきません。赤字で強調されている箇所だけが、かろうじて理解できるぐらい、経済はほんと苦手です。

 

自分の頭の整理のために、小見出しと赤字の部分を書き出しておきます。

現在は空前の低金利時代

定期預金の金利の推移を見てみると、戦後の復興期から高度経済成長期に突入する頃までは比較的ゆるやかに上昇しています。しかし、高度経済成長期とその後につづくバブル経済期に急激にその数値を高めています。その後バブル経済が崩壊してからは、定期預金金利の数値は坂を転げ落ちるように低くなっていき、この20年ほどはずっと低い水準で推移しています。

そして現在は「空前の低金利時代」だといわれています。

 

日本の高度経済成長と預金金利

日本は戦後の復興期を乗り越え、1955年ごろからおよそ20年間にわたり、世界でも他に類を見ないほどの高度経済成長を遂げました、そのこうど経済成長を支えたのは多くの日本企業でした。(中略)

企業において資金の需要が高まれば、金融機関では融資するための多くのお金が必要となります。多くのお金が必要になれば市場に出回るお金が足りなくなって供給不足になるので、融資を受けるための金利は上昇します。商品が品薄になるとその商品の価格が高騰するのと同じ理屈です。

そして融資のための金利が上がれば、預金金利ももちろん上昇していきます。

 

このあたりまでは、当時、中学や高校で学んだレベルの知識でも理解できていました。

記憶にないのですが、この頃、「1974年には公定歩合は9.0%に上昇し、定期預金金利の公式データーは残されていないものの、普通金利は3.0%を記録しています」とあり、また郵便局の定期貯金には預金金利が10%を超えるもあったそうです。

そりゃあ、将来への気持ちも明るくなりますね。

 

欧米との貿易摩擦公定歩合

高度経済成長が終わっても、日本経済は安定して成長していきます。経済成長率は5%ほどに落ちましたが、自動車や電化製品の輸出が増加して日本の貿易黒字は大幅にふえました。

しかし、あまりにも輸出が増えたために欧米との貿易摩擦が生じることになります。貿易摩擦の解消を目指して1985年に締結されたプラザ合意が発端となり、今度はバブル経済期を迎えることになります

 

「1985年プラザ合意」。

経済に疎い私でも、当時ドルで支給されていた難民キャンプでの給料が、日本に帰国する頃に半額の価値になったので覚えています。

 

バブル経済と預金金利

金利が大幅に下がれば企業は資金調達がしやすくなりますが、同時に預貯金による運用益も少なくなりますので、個人は預貯金以外の資産形成にも目を向けます。その結果、土地や株に投資することになったのがバブル景気のはじまりです。

土地や株は異常に値上がりしつづけ、危機感を抱いた政府や日銀は加熱しすぎた景気を抑えるために今度は公定歩合を引き上げました。1989年に2.5%だった公定歩合は翌年には6.0%に引き上げられます。それに呼応するように金利は上昇し、普通預金金利は2.08%、定期預金金利も6.08%と非常に高くなります

 

日銀と定期預金の金利

現在では「基準割引率および基準貸付率」と名称を変えた公定歩合中央銀行である日本銀行によって変更されれば、定期預金をはじめとする預金金利に大きな影響を及ぼします

 

バブル崩壊と預金金利

(途中、略)

この年、普通預金金利は0.1%となり、定期預金の金利も1.091%にまで落ち込みます。更に翌年には公定歩合普通預金金利に目立った動きはなかったものの、定期預金の金利は0.504%になってしまいます

 

金融ビックバンとインターネット銀行

この様な背景を受けて、金融市場再生を目指して1996年ごろから行われた金融改革が金融ビックバンです。様々な金融緩和によって金融業界の自由競争が進んでいく中、多くの金融機関は生き残りをかけて再編を繰り返し、独自のサービスを追求する様になりました。

(途中、略)

また、以前は横並びであった振込手数料やATM手数料、そして預金金利も金融ビックバンの理念である金融自由化によって、各金融機関で決められるようになりました

 

西暦2000年以降の預金金利

金融ビックバンによる金融市場の改変は進んでも活性化はなかなか進まず、2000年以降現在までずっと普通預金金利は0.1%を下回り、定期預金金利も1%以下と低迷したままになっています。

詳しいデーターが残っている2003年時点では、普通預金金利が0.001%、定期預金の金利は0.068%まで下がってしまっています

 

こうして自分の中の年表を正確にしていくことで、少し頭の整理になりました。

 

ただ、経済の歴史は知らないことばかりという私自身の不勉強もこうした文章を読んでも目が滑ってしまう理由ですが、経済はまるで占いか何かのように感じるあたりにも理由がありそうな気がしています。

 

 

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