5年ほど前の記事で紹介した、1500mを1時間で泳ぎ切った長岡三重子さんが亡くなられたというニュースがありました。
国内最高齢106歳の現役スイマー 長岡三重子さん死去
数々の世界記録をマークし国内最高齢の現役スイマーとして活躍した長岡三重子さんが山口県田布施町の病院で亡くなりました。106歳でした。
山口県田布施町に住む長岡さんは、痛めたひざのリハビリのために80歳の時から水泳を始め、最初は、ほとんど泳げなかったものの、練習を重ねて大会に出場できるようになるまで実力をつけました。
そして100歳だった2015年には、100歳以上の女性として世界で初めて自由形で1500メートルを泳ぎきりました。
その後も、長岡さんは1日1時間程度の練習を重ねながら、マスターズ水泳の大会に出場し、国内最高齢の現役スイマーとして活躍してきました。
マークした世界記録は100歳以上104歳以下の自由形と背泳ぎで合わせて18種目、日本記録は平泳ぎも含めて、合わせて34種目に上ります。
親族によりますと、長岡さんは今月15日までスイミングスクールで練習を行っていたとのことですが、その後、体調が悪化し、19日に田布施町内の病院で急性呼吸器不全のため亡くなったということです。
106歳でした。
(NHK NEWS WEB、2021年1月25日)
痛めた膝のリハビリで80歳で水泳を始めたときはほとんど泳げなかったのに、 20年で連続して1500mも泳げるようになったのですから、本当にヒトの体や泳ぐことの可能性は未知のことばかりですね。
独創性のある泳ぎが泳ぎの究極の目標に近くでこんなことを書きました。
がむしゃらに練習をしたり根性で速くなるのではなく、自分の体の動きと水の抵抗を記憶しながら、無駄なことを削ぎ落としていけば、自ずとスピードも出てくるし、美しいフォームにもなる。それは障害があってもなくても同じ。
もしかしたら長岡さんは、陸上を歩くときよりも水の中の方が颯爽と進んでいられたのかもしれませんね。
水の中は楽しかったのだろうなと、うらやましい人生でした。
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