食べるということ 66 黄ニラと鰆

テレビ東京の夕方の番組で、それぞれの地域のカメラマンが地元を紹介するコーナーがあります。散歩で訪ねた場所だと、懐かしさと散歩で見逃したことの残念さでもう一度行きたくなりながら観ています。

先日は「岡山」ということで、録画をしておきました。

 

その中で紹介されたのが、黄ニラと鰆です。

たしかに2018年11月に久しぶりに倉敷を訪ねて、美観地区で夕食をとった時にも、祭り寿司のセットに黄ニラが使われ、鰆のお刺身がついていました。

 

*黄ニラはいつ頃から作られ始めたのだろう*

 

その時に、初めて黄ニラを食べました。いつ頃からか「岡山特産」と紹介されるのを耳にして、私の母も使っていた記憶がないし、祖父母の家でも一度も食べたことがないことが不思議で、新しい野菜なのかと思っていました。

「晴れの国 おかやまカタログ」というサイトに、歴史が書かれていました。

明治初期から栽培がスタート 今や全国一の生産量を誇るまでに。

鮮やかな黄色をまとい、上品な香りと風味が楽しめる黄ニラ。全国的に珍しい黄ニラの栽培が岡山でスタートしたのは、今から約140年前の明治5(1872)年の頃。一時生産量が激減したものの、昭和55(1980)年に露地での栽培方法が確立されると、飛躍的に発展。現在は、全国の約7割の生産量を担う産地へと成長を遂げ、関東を中心に黄ニラを出荷。今では、岡山を代表する農作物のひとつとして、全国に向けて黄ニラの魅力を発信しています。

 

もしかすると、祖父母も母も、ちょうど生産量が激減したあたりで、黄ニラとは縁がなかったのかもしれませんね。

 

旭川の流域に産地があるようです。いつか、上流から下流まで歩いてみたいものです。

 

 

*鰆(さわら)*

 

鰆は私が好きな魚の一つなのですが、ただ、母の出身県とは関係なく出会いました。

 

私が子どもの頃に母が鰆を料理していた記憶もありませんし、小学5年生まで住んでいた地域には魚屋さんがなかったのでした。今のようにふんだんにいつでも魚を食べるようになる、ちょっと魚を採りすぎではないかと思う時代の少し前のことです。

母にとって魚というとままかりの酢漬けとアナゴで、岡山の魚というとこの2つだと私も思っていました。

 

鰆も岡山ではよく食べられているという話を以前聞いたことがあるのですが、私には初耳でした。

 

私が鰆を好きになったのは、東南アジアから戻ってきた時に、現地で食べていたあっさりした魚に似ていたので買うようになりました。

サワラの「利用」に、特に冬は脂が乗り珍重されることが書かれていますが、私はむしろ脂っぽさの少ない熱帯の魚に近かったので、好きになったのでした。

うすく塩をして、油で表面に少し焦げ目ができるぐらい焼いて食べると、なんだか気分は東南アジアになるのです。

 

 

黄ニラと鰆が岡山の名物と言われてもなんだかピンとこないのですが、今度は現地でぜひまたいろいろと食べてみようと思います。

 

 

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