正しさより正確性を 24 「看護職のタバコ対策」

感覚的なものですが、この10年ほどでタバコの匂いが服などに染み付いた方と遭遇する機会が減りました。最近、少し、列車内の混雑が緩和されたこともあるかもしれません。

 

反面、タバコの匂いから解放されたいという半世紀前には考えられなかった理想の社会が近づいてきたので、不意打ちのように漂ってくる匂いに前にもまして敏感に反応し、苛立ってしまいやすいのかもしれないと自重するようにしています。

 

タバコの匂いというのは、すれ違ったときにこちらについただけでもしばらくの間その匂いがこちらにもつくほど強力ですからね。

さらに、以前は煙が目で見えたのに、最近は加熱式タバコのように煙がないものも出現したので、不意打ち感が増しました。

人通りが多い中で手のひらに隠すように加熱式タバコを握って口に持って行く人もいて、新しいものが出ると、それを使う人と周囲の人との葛藤が何年も続くものだと見ています。

 

*看護職のタバコ対策*

 

3月25日付で、東京都看護協会から「東京都看護協会は看護職のタバコ対策を継続的に実施しています」という1枚にまとめられたものが送られてきました。

記憶にある中ではこうしたお知らせは初めてのような気がして、時代の変化を感じました。

それによると、2013年の日本看護協会調査では看護職の喫煙率は7.9%だったのに対し、2018年では7.5%とあまり下がっていないようです。

 

この用紙の中では、「加熱式タバコの問題点」として「加熱式は、紙巻たばこに比べてニコチンの吸収率が高い」ことと「加熱式はやめにくい」ことがあげられていました。

また、サードハンド・スモークについても情報がまとめられていました。

タバコを消した後の残留物から有害物質を吸入すること

タバコを吸い終わった喫煙者の呼気、壁紙、髪の毛、衣類、吸っていた部屋のカーテン、ソファなど喫煙者の居住する部屋のタバコの臭いのするところにはほぼ必ず潜んでいます。

 

 

産科施設だと、やはり妊婦さん・胎児、新生児に接するのでもっと喫煙率が下がるかもしれませんね。私の勤務先では、現在、看護職以外でも喫煙する人はいません。

 

喫煙と同じく健康や依存性に問題がある嗜好品が酒ですが、異なる点として「仕事中にはやめられるか」「吐いた息や服に染み付いた有害物質が他の人へも影響をするか」という点かと思います。

 

さすがに勤務中に飲酒をするのであれば、看護職としては不適格かと思います。

ところが、喫煙はなぜか職場で許されてきたので、そこを変えることが今もなお難しいのかもしれません。

 

ただし、出勤する前や帰宅後に同居する人や周囲の人にも影響を配慮して吸う程度であれば、依存性は低いでしょうし、「看護職だから禁煙を」と個人の嗜好について社会が制止することなのかどうかと、このお知らせを読みながら考えています。

 

なぜこれだけ、たばこに惹きつけられる人がいるのか。

そのあたりが私の知らない世界でもあるので、もやもやするところです。

お酒に対しても同じように思っている人もいることでしょう。

 

もちろん、家の中にいても不意打ちのようにどこからか漂うタバコの匂いに悩まされることが、いつかはなくなったらとは思うのですが。

 

 

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