クリークのどこから歩こうかと地図を眺めていた時期に、読めなかったのが「神埼駅」でした。
最初、「神崎」と見間違って、「かみさき」か「かんざき」かと悩んだのですが、よくよく見ると崎ではなくて埼玉の「埼」という字です。
駅名で検索して、「かんざき」と読むことを知りました。
埼玉の「埼」はさきと読むことがあることを初めて知りましたが、そのままになっていました。
散歩の記憶をたどりながらブログに記録し始めて、ふつふつと「埼」と「崎」の違いが気になりました。
*埼とは*
検索して最初に出てきたのが、「埼とは、みさき/山や水部へ突出した場所/海上保安庁が灯台名に使用するなどの意味を持つ漢字」(モジナビ)でした。
土偏だけれど、水に関係が深い文字なのですね。
その海上保安庁の説明も公開されていました。
「埼」と「崎」はどうなっているの?
Q:海図の地名はどこで決めているのですか?海図上には「〇〇埼」と土へんの埼が書かれていますが、地図帳には「〇〇崎」と山へんの崎が書かれています。どうなっているのですか?
A: 海図に掲載する地名については、旧海軍水路時代から海洋情報部が、独自に調査・検討して海図・水路誌等に採用していましたが、昭和35年(1960年)から海上保安庁と国土地理院が「地名等の統一に関する連絡協議会」を発足させ、地名の統一を図るための協議会を開き検討しています。この競技会で決定された地名は、海図・水路誌等の新・改版時に合わせて採用し、水路図誌の最新維持を図っています。
「埼」と「崎」とのことですが、海図では海洋に突出した陸地の突端部の名称としての(Saki)は、おおむね土へんの「埼」をもちいています。例えば、東京湾付近では地図帳などには野島崎・観音崎・劔崎と「山へん」で記載されていますが、海図には「土へん」で野島埼・観音埼・劔埼と図載しています。
土へんの「埼」は、陸地(平地)が水部へ突出したところを表現し、山へんの「崎」は本来の意味として山の様子のけわしいことを言い、山脚の突出した所を示しており、平野の中に突出した山地の鼻等を言う意味なので、海洋情報部では漢字の意味からも地形が判る土へんの「埼」を採用しています。
なお、「みさき」の地形を表す名称には「埼」のほかに「岬」、「碕」、「角」、「鼻」があり、稀に「岬」を(Saki)と読む場合もあります。
海洋情報部は、明治時代の海軍水路部のころから、土へんの「埼」を海図に採用してきました。これは、埼、崎、岬で地形の意味を表現するために使い分けをして、海図の使用者である航海者が地名から地形が判断できるようにしていました。例えば、野島埼は、「野島」が地名を表現し、「埼」がそこの地形を表現していると考えると判り易いと思います。
国土地理院では、前身の陸軍地理測量部が山へんの「崎」を使用していた経緯があるので、引き続き使用しています。
(強調は引用者による)
現在は内陸部に見える神埼も海のそばであったことを考えれば、たしかに「陸地(平地)が水部へ突出したところ」ですね。
そして「海なし県」の埼玉も、かつては海底だったり、海のそばだったので、「埼」がふさわしい漢字なのかもしれません。
漢字一文字でも、そこには観察に基づく多くの正確な情報がつまっているのですね。
「土へんの山」に水が関係している深い意味があるわけですから、やはり、地名を変えるのは慎重にしたほうがいいかもしれませんね。
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