散歩をする 319 目に入っていなかった地形や場所が見える楽しさ

佐賀行きの散歩を計画し始めた頃、40年前に長崎と佐賀を訪ねたのでその辺りの地図は知っていると思って長崎市をまず探したら、私が記憶していた場所とは全く違った方向でした。

地図が好きなんて大きな声ではいえないですね。

 

有明海橘湾大村湾五島灘と海岸線を辿るだけでも複雑で、「長崎市は入江の奥まった場所だった」ぐらいの記憶だったようです。同じような場所がたくさんありました。

 

長崎市から佐賀の友人宅へは長崎本線で海岸沿いを通ったのではないかと思うのですが、その時の風景はまったく記憶にありません。

どんな風景だったのか、もう一度見てみたいと思いました。よく見ると、有明海の対岸は干拓地が広がっているのに、長崎本線は海岸線ギリギリを通っています。ただただ海を眺めることができそうです。

 

大村線もまた海岸線をずっと走るようなので、これは美しい風景になりそうです。

南風崎(はえのさき)駅の次にハウステンボス駅があり、川を隔ててハウステンボスがあるのかと思ってその「川」を辿ると、早岐(はいき)瀬戸で海でした。

半島だと思っていた場所が、瀬戸を隔てた針尾島のようです。

近くには「針尾瀬戸」「呼戸瀬戸」も地図に描かれています。瀬戸内海だけでなくあちこちにあるようです。

 

さて、「長崎市はこの辺り」と勘違いしていたのが佐世保でした。半島や島でできたかのような、長崎県の地形は複雑ですね。

地名の読みがなが難解なだけでなく、地形そのものも何がなんだかわからない難しさです。

 

佐世保からはたびら平戸を経て、ぐるりと半島の海沿いを西九州線が伊万里まで通っています。

これに乗れば、ただひたすら海と川を眺められそうです。

そして伊万里から唐津に出れば、唐津ー博多間は想像していたより近いようです。

 

ここでちょっと欲が出ました。

博多から佐賀、佐世保を回るのに一筆書き乗車券にできないかなと。

ところが佐世保伊万里間、あるいは有田ー伊万里間が西九州線で、第三セクターのようです。JR線だけで連続する一筆書き乗車券を計画するのは、どこかにトラップがあってなかなか思うようにいかないものですね。

ただ、安積長盛ー郡山間の有人改札で精算する方法や、えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインのように第三セクター鉄道を含めて乗車券にできる区間もありますから、ダメ元でみどりの窓口で相談してみました。

少しでも乗車券を安くというだけでなく、「連続して一枚の乗車券にする」ためのパズルを解いているような散歩の前の楽しみです。

残念ながら連続の乗車券にはできませんでしたが、都内から九州までの片道の乗車券だけでも、長距離逓減制のおかげで予想よりも安く買えました。

 

長崎本線大村線そして西九州線も、一世紀以上前の明治時代に造られた鉄道のようです。

川や山の地形を読みながら鉄道を敷いた当時の鉄道に対する熱意はどんなものだったのでしょう。

鉄道とともに、その周辺の生活はどのように変化したのでしょう。

車窓の風景からそんなことを見つけられるといいのですけれど。

 

行く前に何度も何度も、このあたりの地図を拡大したり縮小しながら眺めたので、今度こそだいぶ地図が頭に入りました。

 

 

 

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