落ち着いた街 16 お酒を適度に楽しむ

この夏は気づいたら2ヶ月ほどお酒を飲んでいませんでした。

今までは夜勤の日以外はだいたい350mlのビールや酎ハイを飲んでいましたし、特に夏日の気温を越えると、夕方になれば「飲みたーい!」という感じでした。

もっと飲んでもほとんど酔わないのですが、最近では最初の美味しさで十分になってきました。

 

その私が、今までの人生で飲まない最長記録を達成しました。

なぜ飲みたいと思わなくなったのか思い返してみると、炭酸水を飲んでいたらなんだか満足して、どうせアルコールが入ったものを飲んでもそんなに酔わないならこれでいいじゃないという感じになったこともあります。

 

ただし、家では味わえない外でのお酒の楽しさに、生ビールがあります。

以前なら、仕事の帰りとか散歩の途中で生ビールをグビリと飲むことがありました。

昨年2月以来、なんとなく、ワイワイと混み合っているお店は危険そうと限られた情報の中で判断したことが、的中していきました。

友人との「奇跡の再会」も無期延期のままです。

 

そしてしだいに、飲食店の営業に規制がかかるようになりました。

この大変な中頑張っている飲食店に感謝ですし、見慣れた街の風景からまた一店と看板が降ろされていくのをみると、飲食店や関連した業界の方たちはこれからどうされるのだろうと心配です。

 

*お酒、適度に楽しむことが難しいもの*

 

ただ、夜八時になるとひっそりとする街や駅周辺に、ちょっとホッとしていることもあります。

酔っ払いや吐物を避けて駅周辺を歩くことが、激減しました。数年前は「東京オリンピックでマナー向上」を期待していたのですが、まさかの新型コロナウイルスによる自粛での変化でした。

 

思い返せば40年ほど前、都内で女性が飲みに行くお店が増えてきた頃も、まだ大きな声ではしゃぐ人はそれほどいなかった記憶です。その後、女性も男性も大きな声で喋り笑う場面が増えて、飲食店や居酒屋に入ると隣の人たちに負けない大きな声を出さないと会話ができなくなり、飲みに行った翌朝は声が枯れてしまうこともありました。

 

静かにお酒を飲み、料理を楽しむということができにくくなりました。

 

あるいは一気飲みや、酔っ払うことがお酒の飲み方になり、90年代に入ると総合病院の救急外来に、夜中や朝方に急性アルコール中毒で搬送される人が増えました。

1986年に救急搬送の業務が明文化されてから、数年ぐらいですね。

 

あの頃、実家があった地域にたまに帰ると夜八時になるとほとんどのお店が閉まって静かで、今の自粛の雰囲気と重なります。

若い頃は何時までも飲める都内の街がいいと思っていたのですが、最近はむしろ、このまま静かな夜の街が続くといいなと思い始めました。

酔っ払いのいない街は、本当に落ち着いています。

 

たぶん、今までの30年から40年ほどが、かつてないほどヒトがお酒にのまれていた時代だったのだと、思い返しています。

 

感染症が終息してまた飲みに行く日がくるとしたら、座席の間隔が程よくあって、静かに飲み、静かに話をできるお店が増えるといいなと思っています。

水辺など、屋外で静かにぼーっと一人で飲めるお店が増えたら最高ですけれど。

 

きっと今の状況もまた、ヒトと酒の関係の竹の節なのかもしれませんね。

 

 

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