1月6日に都内にも「大雪警報」が出されて、プールの外に出たら別世界になっていました。帰りの車窓の風景も、今まで沿線を散歩して見慣れているはずの風景が一変しています。
水墨画のように色がなくなり、ランドマークになるような建物も見失いそうでした。一度歩くとたいがいの道を記憶しているのですが、もし今ここで電車が止まって歩いて帰ろうとしてもどこにいるのかわからなくなりそうな変化でした。
都内で「大雪」というと数センチぐらいでさまざまな機能が麻痺し始めるのですが、建物が多く道路が整備されているのに道を失うかもしれないことも災害の一つかもしれませんね。
翌日夕方には日陰の部分の雪以外はほとんど溶けて、またいつもの街の風景になっていました。
*大雪とか大雪警報の定義は*
そういえば、「大雪」って何センチからなのだろうと素朴な疑問が湧いて来ました。
「大雪に関する気象情報」(気象庁大気海洋部 気象リスク対策課、令和3年12月17日)に、「大雪に対する緊急発表」がありました。
・普段とは異なる顕著な降雪や猛吹雪が予想される場合、普段降雪が少ない地域においてまとまった降雪が予想される場合など、大規模な車両滞留や長時間の通行止めを引き起こすおそれのある大雪が予想される場合には、国土交通省と気象庁が共同して報道発表を行い、車両の立ち往生などに対して一層の警戒を呼びかけます。
・各地方でも地方整備局と気象台、高速道路事業者と共同して報道発表を行い警戒を呼びかけます。
それぞれの地域で「普段とは異なる」降りかたで、何センチといった基準では無いようです。
*「大雪による被害」への対応*
その資料に「大雪による被害」が書かれていましたが、「鉄道の間引き運転」「高速道路の通行止」「交通機関の運休」「立ち往生車両の発生」などが、わずか数センチの雪でも都内では大きな影響がありますね。
1月6日も翌日の交通機関の運休などのニュースがないかずっと追っていましたが、幸い、ほとんどの路線が通常通りでした。
それでも駅や勤務先まで滑らないようにゆっくり歩く時間を考えると、いつもよりはだいぶ早めに家を出ました。
踏切や駅周辺は大勢の人が歩いて雪を踏み固められていたり、雪が靴について持ち込まれていたりするので、おそるおそるゆっくり歩く必要があります。
覚悟していたら、踏切だけでなく駅周辺に融雪剤が撒かれていたのか全く雪もなく、滑る心配もありませんでした。
早朝までに誰かが、こうして除雪してくださっているのですね。
歩く人が多い都内の「大雪」とは、安全に歩けるかどうかあたりも一つの目安かもしれません。
あるいは通勤通学で歩くと1時間ほどかかる道のりを自転車やバスを利用している人もいるので、雪の日には大勢が車道にまでソロリソロリと歩き、雪道に慣れない自動車も走り、混沌とした状況になります。
何センチはでなく、それぞれの地域のそれぞれの機能への影響ですね。
大雪の正確な予想のために、そして大きな「災害」にならないように昼も夜も誰かが対応をしている。
なんだかすごい社会だと改めて思いました。
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