水のあれこれ 225 川崎の水道

昨年12月下旬の片平川を柿生駅まで歩いた記録を2ヶ月半遅れでまとめていたのですが、黒川高区配水池の説明に「潮見台浄水場(宮前区潮見台)」を見つけた時、1月下旬にその近くを散歩していたことを思い出したのでした。

 

あのあたりから黒川駅の近くまで水道水が供給されているとはと驚いたのですが、水源は多摩川だろうと思いました。

潮見台浄水場は、直線距離で多摩川左岸数キロメートルのところにあるからです。

 

生田駅の近くにいくつか浄水場があることに、2018年ごろ気づきました。

ちょうど放水路建設が行われていて、その五反田川を歩いてみようと地図を眺めていました。

 

小田急線の両側が小高い丘陵に挟まれた場所で、川のそばではなくその高台に浄水場が描かれています。しかも一つではなく、それほど遠くないところに3つほどありました。

気になっていたのにそのままにしていたので、散歩の途中でバスの車窓からその辺りの地形を眺めたのが1月下旬でした。

 

*「川崎市水道事業の概要」より*

 

水源を確認しようと検索したら、「川崎市水道事業の概要」という資料が公開されていました。

 川崎市の水道事業は、大正10年に多摩川の表流水を水源として給水を開始して以来、市域の拡大、人口の急増、産業活動の進展などによる水事業の増大に対処するため数次の拡張事業を行い、平成18年4月には1日98万9,900㎥の給水能力を保有するに至り、安定供給を整備してきましたが、施設の拡張を集中的に行なったため、老朽化した水道施設の大規模な更新や耐震性の向上などが重要な課題となっていました。

 また、近年の水需要については、人口が年々増加しているものの、社会構造への変化などから横ばい傾向にあり、給水能力と配水量がかい離していました。

 これらの課題を解消し、安全で快適に暮らすまちづくりとして「安定給水の確保と安全性の向上」を目指すため、川崎市水道事業の再構築計画を策定し、給水能力の見直しを主軸とした浄水場の統廃合や配水池などの更新に取り組んでおり、平成24年3月に潮見台浄水場を廃止し、給水能力は1日81万5,600㎥となっています。

 

地図では現在も潮見台に水色の浄水場のような場所が描かれているのですが、2012年(平成24)に閉鎖されていたのですね。その資料では、浄水場は廃止されても「配水地、送水ポンプ所は存続」とありました。

 

その資料の2ページ目に、水源と浄水場の「系統概略図」がありました。

多摩川から取水しているのかと思っていたら、相模川水系からの取水のようです。

あの横浜や三浦半島だけでなく川崎も相模川を水源とした水道だったとは、はるばる水が運ばれてくるという感じですね。

 

それぞれの地域の水道の歴史を知るにつけ、一世紀の「清潔な水を豊かに、安くという夢がかなった時代だったことが身に染みます。一世紀どころか半世紀ほど前でもまだまだ断水や給水制限がありましたから。

 

 

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