あの日(2022年7月8日)ニュースを聞いた時に、2016年にニュージランドで起きた銃乱射事件の4日後に「犯人の名を口にするつもりはない」とニュージーランドの首相が言ったことを思い出しました。
ニュージーランドのアーダーン首相は19日、議会での演説で、南部クライストチャーチのモスク(イスラム教礼拝所)で15日に起きた銃乱射事件の犯人を強く非難し、その名を口にするつもりはないと述べた。
アーダーン氏は銃撃犯について、「私がかれの名前を口にすることをみなさんが聞くことは決してないだろう」と断言。「かれはテロリストであり、犯罪者であり、過激主義者だから、私が話す時には名前で呼ばない。皆さんも命を奪ったものではなく、奪われた人々の名前を語ってほしい。あの男は悪名をはせようとしたのかもしれないが、我々ニュージーランド人はかれに何ひとつ与えない。名前さえも」と語った。
(「銃撃犯の名は『決して口にしない』、NZ首相が議会演説」、CNNニュース、2019.3.9)
同じような人はやはりいらっしゃって、「テロリストの名を呼ぶ必要はない」とテレビからも聞こえてきた記憶があります。事件が起きた直後ですから、動揺している社会あるいは自分自身を鎮めたいという思いだったのかもしれません。
ただその発言を思い出したのは、私は反対にそう思う人が増えると事実がわかりにくくなるのではないかという危惧からでした。
*動機がわかり再発防止につなげるには時間が必要*
「カルト宗教」の「知り合いがカルト宗教の信者だとわかったときの付き合い方」に、愕然とした箇所がありました。
もうひとつの注意点は、カルト(やそれに近い集団、個人)に取り込まれた知り合いに、いきなりこちらから近づかないようにすることです。
その知り合いに、何かを誘われても断りましょう。心配だからといって、教団施設などについていったりするのは本当に危険。焦らなくても、脱会に成功すればちゃんと元の関係に戻れます。
坂本弁護士一家殺人事件の実行犯となった端本悟は、友人を救い出そうとして早稲田大学在学中にオウム真理教に近づき、そのまま取り込まれてしまい、その後サリン事件等に関わり死刑執行されました。
同じような過ちは、絶対に犯してはいけません。
(赤字強調は引用者による)
そういう経緯を持った犯人もいたことを当時も耳にしたのかもしれませんが、すっぽりと記憶からなくなっていました。
Wikipediaにはクライストチャーチモスク銃乱射事件の容疑者や端本悟がまとめられていました。
そして「テロリスト」とは何か考えているのですが、世界には国家そのものがカルトに近いような社会があって、そこから抜け出すために相手と闘わざるおえない状況がありますね。
反政府ゲリラとかテロリストと危険視されている社会にもまた違った状況があって、私が住んでいた30年前も今もあまり変わらないようなニュースが聞こえてきます。
「テロリスト」といっても、そこに至る状況は違うものですね。
一度レッテルを貼ってしまうと、自分の中のものの見方を変えるにも時間がかかりそうです。
そんなことを併せて考えながらこの本を読みました。
「事実とは何か」まとめはこちら。
あの日(2022年7月8日)から考えたことのまとめはこちら。
失敗とかリスクについての記事のまとめはこちら。