イメージのあれこれ 33 距離や広さを正確に実感する

穴が開くほど日本各地の地図を眺めているので、もし白紙に日本を描けと言われたらけっこういい線をいけるのではないかと思っています。

 

ところがやはり実際に歩いてみると、なんだか違うと感じることがままあります。

とりわけ距離感が実際に歩いてみると全然違うことに戸惑います。

とくに干拓地のように広い場所を歩くときに「壮大な計画」というか「無謀な計画」になり、結局は歩ききれないこともしばしばです。

 

奈良はこの反対で、「案外と歩ける距離なのだ」と思うことがしばしばあります。

今回も1日目の最初に天理駅から桜井駅までぐらいの距離を歩いたのですが、まっすぐな線路沿いでも10kmはあります。

10kmは歩けないことはないけれど、地図で見ると長細い奈良盆地の南北の距離の半分ぐらいになるのを見ると「とてもとても歩けそうにないのではないか」と思うような感覚になります。

 

そのまま西側の大阪と比べると、新大阪から天王寺あたりの広さになります。ほとんど大阪の土地勘がないのですが、淀川放水路から大阪城を目指した時にも断念したのに今回はその何倍もの距離を歩いていました。

山の辺の道で奈良盆地を見下ろした時にも広い盆地だと感じたのに、なぜその南北半分の距離を歩けたのでしょう。

 

帰宅してから地図を見るたびに、大阪の中心部の範囲とこの奈良盆地の大きさを比べては、なぜ歩けてしまったのだろうと不思議で仕方がありません。

 

案外と奈良盆地というのはこじんまりとした歩ける範囲だったのですね。

そういえば内藤新宿から半蔵門まで歩いた時に、案外と江戸時城下というのは狭いものだと感じたのと似ています。

 

そこでそのまま地図を西から東へと移動しながら奈良と江戸城下を見比べてみると、現在の上野から品川ぐらいで10kmですからなんだか混乱してしまいました。

山手線の内側の地域は奈良盆地の4分の1ぐらいでしかありません。

 

あちこちを散歩するようになって方向感覚がおかしくなることを経験するのですが、さらに最近、この距離感覚がおかしくなる感じはなぜなのだろうと不思議です。

 

地図を眺めてその距離や広さを理解したつもりになっていると、こうしたズレが生じるので、やはり実際に歩いてみたいとますます散歩の計画が増えるのでした。

 

 

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