米のあれこれ 49 和歌山駅東口のそばの田んぼと旧大門川

和歌山の駅前で一泊しました。

今回の散歩の3日目は大阪の貝塚周辺を歩く予定でその前に和歌山港まで行って紀の川の河口を眺める計画ですが、さらにその前にもうひとつ見たいと思った場所があるので7時にはホテルをチェックアウトしました。

 

和歌山駅の東側300mほどのところに、ぐいっと細い水色の線が蛇行してその内側が「出水」という地名の場所があります。

おそらく旧河道で氾濫が多かった場所だろうと想像ができます。現在は住宅地のようですがどんな場所なのか見てみたいと思いました。

 

夜明け前にホテルの窓から見えたその場所は、道路の街灯や信号が緩やかに下っているような地形に見えました。

そして日が昇り明るくなって景色がはっきりと見えてきた時に、なんとホテルのすぐ近くに水田があるのが見えました。

和歌山駅のすぐ裏手に田んぼがあるようです。

 

地図や航空写真では空き地のようで、水田には見えない場所でした。

 

その田んぼを見てから旧河道を訪ねようと、少し道順を変えました。

ホテルから一本離れた道には昔からの日本家屋があり、その一角が田んぼでした。

30m四方ぐらいでしょうか、現役の田んぼのようで稲刈りをしたあとが残っています。

ここ以外にもところどころ田んぼがありました。ということは、暗渠になった水路もそばにあるということですね。

地名は「黒田」で、水田が多かったのかもしれません。

 

周囲は水田跡に建てられた新しい住宅地という雰囲気で、土の庭がほとんどなくてコンクリートで固められています。

ももともと田んぼだった地盤と関係があるのだろうかと考えながら歩いていると、地図に描かれていた細い水色の水路に出ました。

流れているというよりは水が溜まった堀のようです。ポンプ場のような建物があり、向こう側の小学校の方がやはり少し低くその地下が貯水池になっている表示がありました。

 

水路に沿って南へと歩くと、水路が東へ向きを変えるあたりに郵便局があり、その前が不思議な空き地になっていました。

道路に囲まれて、草ボウボウの中にコスモスの花が咲いています。その先から小さな水路が流れ込んできているようですから、この辺りは湿地のような場所だったのでしょうか。

 

水路は旧大門川で、ここからしばらく南に続き、そのあと北へと向きが変わり現在の大門川とつながり、あの和歌川へと流れているようです。

 

地図で想像したとおり川から水が溢れやすそうな場所ですが、現在は住宅がぎっしりと水路ぞいに建ち、その低い方に小学校がありました。

そして高い方に今も水田がある地形でした。

 

和歌山駅から徒歩数分もかからない場所に田んぼがある風景、ぜひ稲穂が風に揺れている風景も見てみたいものです。そして田んぼのどんな歴史があるのでしょうか。

 

 

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