父に「イデオロギーにはまるな」と言われた半世紀前は中学生から高校生でしたが、社会の動きが分裂していくかのような時代でした。平和運動も核廃絶も同じ方向のようなのに、なぜか二つの派になっていくことが残念に感じていました。
イデオロギーを中心にした社会運動というのは「どこを切っても金太郎」で、末端の意見は顧みられることもなく、だから一見、同じ方向を求めているかのような人たちが敵対するようなねじれが起きて分裂していく。まあイデオロギーは闘争的な概念ですからね。
*あの時代が見えてきた*
さて、都知事選で連合が現職を支持するというニュースがあり、そのコメント欄を読んでいたらこんな書き込みに目が止まりました。
統一教会関連の大学ってどこだろうと気になって検索したら、富士政治大学だそうです。
芳野自身は、富士政治大学校には行っていないと述べているが、毎日新聞(2021年12月26日)のインタビューで「組合役員になると共産党系の組合と闘った過去を学んだり、相手から議論を仕掛けられたらどう切り返すかというシミュレーションをしたりした」と答えている。(以下略)(Wikipedia「芳野友子」「経歴・人物」)
私自身は労働運動(イデオロギー的な雰囲気)には関わらないようにしていたので、連合の会長が女性になったニュースは何か新しい風が吹くのかぐらいに聞き流したままでした。
労働運動に統一教会の影響があったとは、ほんと世の中は知らないことばかりですね。
1969年、民社党委員長の西村栄一によって、静岡県御殿場市に富士社会教育センターが創立された。同年4月に財団法人として認可を受け、7月に設立登記を完了した。8月1日、センター内に労働組合向けの研修機関として「富士政治大学校」を開設し、西村は同校の初代学長に就任した。民社党初代委員長で当時常任顧問西尾末広が最高顧問に就任した。
神奈川県座間市議会議員の松橋淳郎によれば、「一説によると、同学校は、昭和40年代共産主義やファシズムに対して、中央情報局(CIA)の支援を受けて創立したものと言われている」(強調は引用者による)
当時は「共産主義・社会主義VS自由主義」のイメージだったのですが、「共産主義VS社会主義・自由主義」だったのでしょうか。
こんなところにも「ねじれ」があったとは。
で、さらに「富士社会教育センター」を読みました。
・2代目理事長の松下正寿は1970年代から文鮮明に傾倒。世界平和アカデミー会長、世界日報論説委員、宗教新聞社社主など世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体の要職を務めた。日韓トンネルの建設にも意欲を示し、1983年5月に日韓トンネル研究会の設立総会が開かされた際、呼びかけ人代表として挨拶した。1985年には「国際ハイウェイ・日韓トンネルの構想は国際文化財団の創設者である文鮮明先生のものである。我々は先ずこの素晴らしい構想に対して感謝しよう」と書き記した。
その「松下正寿」のWikipediaを読むと、牧師の父をもち聖公会で育ったようですから、イデオロギーだけでなく宗教もまたねじれていくようですね。
父の書斎に勝共連合の本があった時代がまた少しわかりました。
*「実際の政治をしたかったのである」*
さて、その松下氏が確固たるイデオロギーや宗教観で統一教会に共鳴したのかと思ったらちょっと違うような感じです。
「統一教会との関係」を読むと、驚くとともに現代の政治家に脈々と続いているものを感じました。
私は過去六か年の参議院議員の生活にはうんざりしていた。重要な法案や予算案は全部衆議院で決定され、参議院はそれを追認するだけである。たった一つありがたいことは、「歳費」、「通信費」、「調査費」等いろいろな名称で沢山の収入が得られることであったが、仕事としてはつまらなかった。私は収入よりも実際の政治をしたかったのである。それで衆議院議員に出馬しないかという話に、私は大いに関心を持った。(中略)私は迷った末、決心して文鮮明先生に助言をお願いした。
「実際の政治」とは、おそらく自分の意のままに社会を動かすことでしょうか。
まあ、きっと「収入も」ですよね。
コメント欄の一文のおかげで、共産主義(あるいは社会主義)か資本主義かなんてイデオロギーにはあまり差がなく、政治家でい続けることで多大な利益と権力を得ることが目的の、政治の世界が綿々と続いていることが見えてきました。
そのためには国民は「ヒトという資源」に過ぎず、生かさず殺さず奴隷を手放さないような政策が必要なのでしょう。
「初の女性会長」と華々しくニュースになった人だけれど、やはり苦しい時の女性頼みの何かがうごめいているのだと感じました。ええ、あくまでも印象ですけれどね。
*おまけ*
高校生の頃に戦後の財閥解体と農地解放をさらっと習いました。まだ歴史になっていなかった時代ですからね。
最近、この二つの言葉をもっときちんと学びなおさないといけないと感じるようになりました。おそらく新しい資本主義の行き着く先はこんなところでしょうから。
「つじつまのあれこれ」まとめはこちら。
あの日(2022年7月8日)から考えたことのまとめはこちら。
失敗とかリスクについてのまとめはこちら。
「骨太」についての記事のまとめはこちら。